この記事をご覧いただいている方の中には
「通信制高校への転入を検討しているけど、不合格だったらどうしよう・・」
と不安に思っている方も、いらっしゃるかもしれませんね。
結論から言うと、通信制高校は
ほとんどの場合、落とされることはありません。
しかしながら、公立と私立では事情が異なりますし
落ちた方も一定数いるのは事実です。
そこで今回は
・通信制高校の入試では、どのような場合に不合格になるのか?
・確実に受かるためにどのような対策をするべきか?
・万が一、落ちてしまった場合どうすればいいのか?
について、詳しく解説していきます。
目次
通信制高校の入試で落ちる人って?!
通信制高校でも稀に不合格となる場合があるというのは、先ほども述べた通りです。
では、一体どんな場合に落ちてしまうのか気になりますよね。
考えられる要因は以下の2点です。
①人気校で倍率を上回ってしまった場合
②面接試験で受験者の人柄に問題があると見なされた場合
順に見ていきましょう。
落ちるケース①倍率が高く定員オーバーの場合
まず考えられるケースとしては、全日制同様、
倍率が高く定員を大きく上回った時に、不合格となる場合があります。
特に公立の通信制高校は、私立と比較しても
定員が少なく設定されていることから、競争率が高いと思われます。
近年、通信制高校の希望者が増加しています。
東京都内だけ見ても、公立の通信制高校は3校しかないので
倍率が高くなるのは想像に容易いですよね。
ちなみに都内公立通信制高校で1番人気の新宿山吹高校の倍率は
例年1.5~2倍となっています。(参照:NPO法人高卒支援会)
一方、私立の通信制高校はほぼ全員が合格できるイメージがありますが
専門コースなど設けている学校など、稀に生徒の募集人数を絞っている学校もあります。
こうしたコースは、少数精鋭がウリの場合が多いので、
希望者が多数の場合は、ふるいにかけられることがあります。
落ちるケース②面接試験で人間性に問題があると判断された場合
面接試験で人間性に問題があると見なされ、不合格となるケースもあります。
考えられるのは、以下のようなケースです。
・普段の素行が悪い(暴力行為、いじめなど)
・警察沙汰になったことがあった経験がある
・社会のルールを守れなさそうな人(未成年の飲酒・喫煙など)
・学校や周りの生徒に危害を加えそうな人
通信制高校は、前の学校での人間関係等に悩みを抱えて転入してくる生徒も少なくありません。
学校側としては、そんな生徒たちの学校生活を脅かしそうな人は転入させたくないですよね。
ちなみに「不登校だったけど大丈夫かな?」と不安に思われる方もいるかもしれませんが
通信制高校は不登校を理由に落とすと言ったケースは、ほぼないようです。
しかし、公立の通信制高校への転入を希望する場合は
取得している単位数が極端に少ないと、受験者としての要件に満たない場合もありますので注意が必要です。
桜咲く?!通信制高校の入試に受かるためには?!
通信制高校には、そもそも偏差値というものがありません。
そのため、入試は全日制と異なり、
主に面接・書類選考・作文などの方法を用いて、合否を判断します。(稀に学力検査を実施する学校もあります。)
中でも、面接の比重が大きく、受験者の人となりを実際に見てから合否を決める学校が多数です。
面接試験で留意すべきポイントと、よく聞かれる質問について、見ていきましょう。
面接で留意すべきポイント
もしかしたら、「今回がはじめての面接でドッキドキ!」という方も少なくないかもしれませんね。
私も何度か面接を経験してきましたが、何回やっても緊張します・・。
基本的に、面接官は「落とすための面接はしない」というのを留意しておきましょう。
志願者の話を聞いて、
「本当に卒業まで頑張れるか」をきちんとジャッジするのが面接の目的です。
ちなみに通信制高校の面接にかかる時間は、平均して10~15分程度とされています。
この間に、きちんと自分について知ってもらうことが大切です。
まずは面接時の望ましい服装や態度について解説します。
服装
面接時の服装は特に指定されない場合が多いです。
悩んだら、今の学校の制服で行くと良いでしょう。その際、着こなしには注意が必要です。
スカートの丈が短すぎないか、ズボンは引きずったり腰パンになっていないかチェックしましょう。
シャツのボタンもきちんと閉めると、しっかりした印象を受けます。
私服で行く場合は、清潔感のあるシンプルなものを選びましょう。
Tシャツやジーパンはカジュアルすぎるため、こうした面接などには御法度です。
悩んでしまう場合は、落ち着いたシャツやブラウスを用意すると良いかと思います。
アクセサリー類は外していくのがマナーです。
メイクはノーメイクか、薄めのナチュラルメイクにしましょう。
また、カラーリングしている方は、髪色は黒に戻していくのが望ましいでしょう。
態度
学校側としては、学校の卒業率を下げたくないのが本音です。
つまり、途中でリタイアしそうな生徒はなるべくなら転入させたくないものです。
そのため、面接中の態度にも注意が必要です。
足を組む・椅子にもたれかかる・ため口などは、もちろん言語道断です。
そうした態度のせいで、素行が悪そうな生徒だと判断されたらもったいないですよね。
さらに学生と言えど、挨拶は基本です。
入退室時には「失礼します」「ありがとうございました」と
はきはきと挨拶ができると、印象もぐっと良くなります。
さらに学校によっては、保護者も交えての3者面接を行う学校もあります。
その際に注意が必要なのは、保護者の方ばかりが話してしまうことです。
志願者本人が受け答えしているときに、
横から口をはさんだりすると、あまり良い印象を受けません。
くれぐれも注意しましょう。
面接でよく聞かれる質問
どんなに身なりや態度に気を付けていても、
「本番で緊張してうまく受け答えができるか不安・・」という方も少なくないですよね。
聞かれるであろう質問の回答を、
一度、自分の言葉でノートにまとめてみることをオススメします。
もちろん各学校によって質問は異なりますが、
聞かれる可能性の高い質問は以下の通りです。
・志望動機(なぜ通信制高校、その学校への転入を希望するのか)
・前の学校をやめた理由
・自分自身について(長所・短所など)
・卒業後のビジョンや将来の夢
・趣味など
特に、志望動機については
必ず聞かれると言っても過言ではありません。
志望動機は、ポジティブな言葉で具体的な理由を言えるようにしておくのが基本です。
《例》
✗「毎日学校に行きたくないので、通信制への転入を希望します。」
〇「自分のペースで勉強できるところに魅力を感じたので、通信制高校で学びたいと思いました。
また、御校の○○コースで学べる△△について興味があり、詳しく学びたいと思っています。」
前者は妥協案として通信制を希望している印象を受けますが
後者はなんとなく前向きな理由で転入を検討している気がしませんか?
もちろん、嘘をついたり気張る必要はありませんが
それなりに本音と建て前を分けることが、面接では重要となってきます。
通信制高校は独自のカリキュラムや特色を持っている学校が多いので、
転入を希望する通信制高校についてリサーチしたうえで
”志望する学校でどんなことを学びたいか”
”どのような学校生活を送っていきたいか”
も、しっかり答えられるようにしておくと
志望動機に膨らみを持たせることができます。
とは言え、難しく考えなくて大丈夫です。
自分の言葉で、しっかり熱意を伝えられるように構成してみましょう。
落ちてしまったときに考えられる2つの方法
でも、落ちてしまったら・・この先どうすればいいんだろう?
万が一のケースは、誰でも想像したくないものですが、
すみやかに次の行動を起こすためには大切なことです。
残念ながら、希望とする通信制高校に落ちてしまった場合
考えられる進路を2つご紹介します。
①他の通信制高校を検討する
一度学校を退学してしまうと、”転入”ではなく”編入”扱いとなってしまいます。
編入の場合は、入学できる時期や年次が変わってしまうことがあるので
ブランクが生じる可能性があります。
「3年間で必ず卒業したい!」という方には、やはり転入が望ましいと言えます。
学校によって異なりますが、私立の広域通信制高校は、
随時転入者を募集している学校も多いので、検討してみると良いかもしれませんね。
随時転入者を募集している主な広域通信制高校は以下の通りです。
・ルネサンス高等学校
・ヒューマンキャンパス高校
・N高等学校(ネットコースのみ・通学コースは年4回)
・第一学院高等学校
・NHK学園高等学校(12月まで随時)
・屋久島おおぞら高等学校
どうしても公立の通信制に行きたいという方は、
空きが出れば、後期日程で再チャレンジしてみると良いでしょう。
②高卒認定試験を受験する
年に2回ほど実施される高卒認定試験を受けるという手もあります。
高卒認定試験とは、高校を卒業した生徒と同じくらいの学力があることを証明する試験です。
国語・地理歴史・公民・数学・外国語・理科から、マークシート式で出題されます。
高卒認定試験を受けて合格すれば、
大学受験はもちろん、公務員試験や国家試験の受験資格を得ることができるので
一気に、進路の選択が広がりますよね。
ちなみに、徐々に上昇傾向にあるものの、
高卒認定試験の合格率は約40%前後となっています。
(参照:平成29年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について)
独学で乗り切れるか不安な方は、
通信講座や塾、予備校を検討してみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
通信制高校に落ちる要因・面接対策・落ちた場合の対策について解説してきました。
《本記事のまとめ》
・定員オーバーや「人間性に問題がある」と判断された場合は、転入試験に落ちることがある。
・「問題のある生徒」だと判断されないよう、面接時の身だしなみや態度には細心の注意を!
・面接で聞かれそうな質問について、事前に一度自分の言葉でまとめておく。また志望動機は、ポジティブな言葉で具体的に応えられるようにしておくと◎。
・万が一落ちてしまった場合は、他の通信制高校へ転入する、高卒認定試験を受験するなどの選択肢も。
人生、七転び八起き。
いざとなれば、どうとでもやり直しがきくものです。
不合格になることを、必要以上に恐れていても何も生まれません。
いま自分にできる対策をしっかりとして、本番に挑めるように心構えをしておきましょう。
この記事をご覧頂いた皆さんに、桜咲くよう応援しています。