我が子が不登校になってしまったことで、
「私が甘やかしたせいで不登校になったんだ」
「あの時きつく叱ったから不登校になったんだ」
などと、不登校の原因は親にあると考え、自責の念を覚えている方もいるのではないでしょうか。
不登校になり辛い思いをしているのは本人だけでなく、親も同じです。
そこで、この記事では、
・不登校の原因は親の甘やかし?怒りすぎ?
・不登校の子どもへの接し方は?正しい甘やかし方、怒り方とは?
について詳しく説明しています。
不登校の原因は親の甘やかし?怒りすぎ?
不登校の子供を持つ親は、周囲から
「親が甘やし過ぎたから」
「親が厳しくし過ぎたから」
と言われることがあるではないでしょうか。
また、子どもからも、
「親のせいで自分はダメになったんだ」
ときつく当たられることもあります。
そんなことを言われると、ただでさえ難しい不登校の問題で悩んでいるのに、
「私の育て方が悪かったのかな?」
と自分を責めて苦しくなってしまいますよね。
では、果たして本当に親の育て方は不登校の原因となるのでしょうか?
答えは、親の育て方が不登校の原因となることはほとんどありません。
子供に対して甘やかしてきた家庭も、子供に対して厳しく接してきた家庭も、そうでない家庭でも同じように子供が不登校になる可能性があります。
もちろん、あまりにも子供に過干渉な家庭や、虐待をしている家庭となると話は別ですが。
不登校の子どもを持たない「世間」の親たちは、好き勝手言い、もっともらしい理由をつけたがるのです。
そして思春期の子どもは、親の育て方を批判し、反抗することがよくあります。それは不登校であっても、不登校でなくてもです。
なので、今まで苦労して育ててきた親の頑張りを否定することはありません。
大切なことは「不登校の原因」ばかりに目を向けるのではなく、今後どのように解決に導いていくかを考えることです。
例えば、「いじめられていて不登校になった」という子どもの場合、転校していじめっ子がいなくなっても、登校できなければ解決したことにはなりません。
原因を取り除くだけではなく、心のケアを行う必要があったり、子どものやる気を回復させたりと、学校に再び通うことができるようになるのには様々な問題をクリアしなければなりません。
不登校になった原因を無理に取り除こうとせず、一緒にカウンセリングを受けに行ったり、ときには何も言わずに見守るなど、様々な対応をすることが必要でははないでしょうか。
また、不登校で自宅にいる機会が多くなった分、子どもと向き合うチャンスだと考えることも大切です。
親が子どもの将来を考える良い機会だとプラスに考えることで、親子関係も良くなり、絆を深めることができたという家庭も多くあります。
家庭の中に子どもが居場所を見つけられたなら、安心して再び学校に通うことができるのではないでしょうか。
不登校の子どもへの接し方は?正しい甘やかし方、怒り方はあるのか?
不登校の子どもは精神的に不安定な状態になりやすく、
「どのように子ども接すればいいか分からない」
という方も多いのではないでしょか。
親として「早く学校に行けるようになって欲しい」と切に願うのは当たり前ですが、その思いが強いあまり、子どもを追い詰めることとなっては本末転倒です。
甘すぎず、厳しすぎず、適度な距離感を持ち、子どもと接するようにしましょう。
では、正しい甘やかし方や、怒り方はあるのでしょうか。
具体的な接し方の一例についてご紹介していきます。
正しい甘やかし方
子どもに対して、
「この子はかわいそうな子だから、なんでもやってあげなくちゃ」
「私は親だから、この子のことは何でも分かるの」
などと、必要以上に世話を焼いてしまうことや、子どもの話を聞く前に全て親がやってしまう、ということはないでしょうか。
このような行動を取っていると、子どもが親に依存してしまう場合があります。
子どもは、自分のことは自分でするということができなくなり、物事に対する責任を追うことができなくなってしまいます。
また、「やりたくないことはやらない」という自分勝手な子どもになってしまうかもしれません。
そこで、
・本人が望む前に先にやる・言う
・本人ができることを親がやってしまう
・物やお金をすぐに与える
ということをやめましょう。これは甘やかしではなく過干渉です。
子どものためを思って取っていた行動が、子どもに疎外感を感じさせ、心を閉ざす原因となる可能性があります。
その代わり、誰よりも子どもの話を良く聞き、誰よりも子どもの気持ちを受け入れ共感してあげましょう。自分の気持ちを分かってくれる人が身近にいるというだけで、子どもの心は軽くなります。
親が話を聞いてくれる存在だと分かれば、子どもも親の話に耳を傾けてくれるようになります。そうすれば、不登校の問題に対しても親子揃って立ち向かうことができるようになるのではないでしょうか。
正しい怒り方
子供が不登校になったのは親の甘やかしが原因だという思いがある方は、反対に子どもに対して厳しく叱ってしまうことも多くあるのではないでしょうか。
また、子どもと上手く気持ちを通い合わせることができないもどかしさから、きつく当たってしまうこともあると思います。
子どもを思うがあまり厳しい態度で接していると、親子関係が悪くなり、反抗心や無気力状態が生まれ、不登校から抜け出せなくなる可能性があります。
そこで、子どもを怒る際にはこの4つのポイントを意識するようにしてください。
・感情的に怒らない
・蒸し返さない
・誰かと比較しない
・逃げ道をつくる
それでは詳しく内容を見ていきましょう。
感情的に怒らない
子どもが学校に行かずに家で好きなことをやっている姿を見ると、ついイライラして怒鳴りつけてしまうという方もいるのではないでしょうか。
その感情は、子どもの将来の不安や、子どもへの期待の大きさから湧き出てくるもののはずです。我が子を真剣に思うあまり、怒りになってしまうのです。
しかし、怒られた子どもにはそんな思いは伝わらず、ただ「怒鳴られた」「叱られた」という事実だけが残ります。
感情的に怒ることは、子どもとの関係を悪化させる原因となります。
そのため、子どもに対して何かを伝えるときには、
「こういう風に感じたから、こうして欲しい」
「こういう気持ちになったから、こうする方がいい」
というように、感じたこととセットにして伝えるようにしましょう。
親の気持ちを汲み取ることができれば、子どもも理解でき、行動の改善につながるはずです。
蒸し返さない
一度言ったことに対して子どもができていないと、
「どうして前も言ったのにできないの」
と同じことを何度も繰り返して怒ったことはないでしょうか。
確かに、「なんで何回も言ってるのにできないんだ」と怒りたくなる気持ちは分かります。
しかし、子どもは何度も言われる内に、悪いと分かっていても
「しつこい」
「うるさい」
と思い、親の言うことに聞く耳を持たなくなってしまいます。
もしかしたらできない理由が子どもなりにあるのかもしれません。
なので、まずはどうしてできていないのかということを聞き出し、解決できる方法はないか一緒に考えるようにしましょう。
誰かと比較しない
兄弟姉妹や友達、他人と比較して、
「だからあなたはダメなんだ」
という怒り方はやめましょう。
比べられた子どもは、
「どうせ自分はダメな人間なんだ」
と感じて自信を失っていき、自分の殻に閉じこもってしまいます。
また、親からの愛情を感じることができなくなり、親子関係は悪くなるでしょう。
さらに、比べられた相手に対して嫌悪感を抱くようになり、そちらとの関係も悪くなることもあります。
無意識の内に、「あの子にもできたんだからこの子にもできるはず」と思い込んでいるいませんか。できない自分の子どもに対する焦りから、怒りが湧いてきているのではないでしょうか。
比べることは、子どもにとっても親にとっても良いことはありません。
人によって、できることも、できないことも、成長スピードも違います。その子自身とだけ向き合うことを意識してみてください。
逃げ道を作る
子どもに対して頭ごなしに怒ってしまうことはありませんか。子供が納得していないのに言い訳をする機会を与えずに、とことん追い詰めるということはやめましょう。
そのような怒り方をしても子どもに気持ちは届きません。
「あなたにもこんな気持ちがあったと思うけど、私はこんな気持ちになった」
というように、子どもの気持ちを受け入れることを忘れないでください。反論を聞かずに抑え込もうとすると、子どもはどんどん追い詰められてしまいます。
そのような怒り方をすると、親に対しての恐怖心が生まれ、辛いことや苦しいことがあってもひとりで抱え込むようになります。自分の気持ちを打ち明けることができなくなると、不登校から抜け出せなくなる可能性もあります。
まとめ
それではここまでの記事の内容をまとめてみましょう。
まとめ
・不登校の原因に親の育て方は関係ない
・子どもと親は適度な距離感を持つ必要がある
・子どもの意見を聞き、過干渉にならない
・子どもを怒るときは、冷静に子どもの気持ちも考える
親が自分のせいで不登校になってしまったのではないか責任を感じると、行き過ぎた甘やかしや厳しさで子どもと接してしまうことが多くあるようです。
そうなると親子関係が悪化し、不登校の問題解決への道が遠のいてします。
必要以上に自分を責めることなく、「どうにかなる」という前向きな気持ちで子どもと接するよう心がけていきましょう。