「お兄ちゃんが学校に行かなくなったら、妹も行かなくなってしまった。」
「兄弟全員が不登校に、、、どうして?」
そんな悩みを抱えた親御さんが増えているようです。
「親の育て方が悪い?」はたまた、「家庭環境に何か原因がある?」と疑ってしまいますよね。
この記事では、
- なぜ、兄弟で不登校になってしまうのか?
- 兄弟で不登校になってしまった時の対処法
- 不登校連鎖を起こさないために普段から気を付けること
- を解説します。
目次
なぜ、兄弟で不登校になってしまうのか?
何らかの理由で兄弟のうち一人が不登校になると、他の子も続いて不登校となってしまうケースは良くあります。どうやら不登校は、兄弟間で連鎖してしまうパターンが多くあるようです。
この章では兄弟のうち一人が不登校の場合に、他の兄弟が不登校になってしまう理由を解説します。
1. 不登校の兄弟がいる子、休みたくなるのはなぜ?
不登校の兄弟がいて、学校に行けている人でも、
- お兄ちゃんが、休んで良いなら、自分も休みたい。
- 自分も、お兄ちゃんのように関心を持ってもらいたい。
- 私は、がんばっているのに全然認めてもらえない、、、。
といったような気持ちが芽生えてしまう場合があります。こんな風に思うことで不登校の連鎖が始まってしまうのです。「兄弟が不登校であること」に引っ張られて、不登校に至るケースです。
2. 兄弟揃って不登校は、子どもの問題だけでない
不登校の原因は子ども自身の問題ではなく、親御さん自身の悩みが潜んでいる場合があります。
以下の点に注目してみましょう。
- 夫婦関係
- 嫁姑関係
- 親戚関係
意外と思われるかもしれませんが、親御さんの周囲の人との人間関係が、根強く問題となっているケースがあるのです。
この点は本来、親御さんの問題になるかと思いますが、お子様に強く影響を与えてしまうので要注意です。
子どもにとって親の悩みは関係ないと思いがちですが、実は親の持つ悩み、特に周囲との関係性が、何らかの形で子供に現れる場合があるのです。
考えてみてください。こころが安定していないと正常に学校なんて行ってられませんよね。子供のこころは繊細です。
学校に行ったとしても家庭の悩みを抱えていれば、暗い思いが広がってしまい無理に抑えようとすれば、何らかの異常が出てきてしまいます。
子どもは無意識のうちに親の悩みを敏感に察知します。その結果、何かしらの不都合として子供の問題として表れてしまうのです。
それは、いじめだったり、不登校だったり、、、。
同じ兄弟でもお子様の性格によって影響も異なるでしょうが、兄弟、揃って不登校に陥る場合、原因として、同じ親が抱える問題にあるともいえますよね。
兄弟で不登校になってしまった場合の対処法
不登校になる理由はさまざま考えらえますが、お子さんのうちの一人でも不登校になると、親としては、どうして不登校になってしまったのか?と不登校の子に強く関心を寄せずにはいられませんよね。それは当然のことです。
ましてや、次々と兄弟に不登校が連鎖してしまったら、、、。「自分の育て方が悪かったから」とか「家庭環境に問題があるから?」と悩んでしまいますよね。
「兄弟揃って不登校」で悩む親御さんや兄弟の声
兄弟揃って不登校の子に対しての思いを紹介します。
親御さんの声
長男の卒業式で
久しぶりにあったママ友❓に
兄弟で不登校って将来大丈夫❓と聞かれた学校は行けるのだったら行った方がいい
色々な人と関わって
学校でしか出来ない事を経験できるから
ただ自分を壊すまで無理して行く場所でもないと伝えたら
❓❓❓となってしまったママ友わからなくてもいいよ
— honu (@honu69867062) March 20, 2019
兄弟の声
弟も不登校になったらしい
とうとううちの兄弟で生き残ってるの僕だけになってしまった— 別府さん (@Suke_shota) December 11, 2019
以上のように、周囲の人の理解が得られなかったり、兄弟が不登校になったことで焦りを感じている人など様々です。
この章では、兄弟で不登校になってしまった場合の対処法、3つのアプローチをお示しします。
1. お子様との接し方に注意
まずアプローチの一つ目として、お子様との接し方が挙げられます。以下の点に注意して、接してあげてください。
やってはいけないこと
- 不登校の子を責める
- 兄弟の比較をする
- 不登校の子、学校に行けている子のどちらかにしか関心を寄せない
やってほしいこと
- 学校で頑張っていた、また、学校で頑張っていることを認めてあげる
- 不登校の子、学校に行けている子、両方に平等に目を向け、関心を寄せること
以上のことを心がけましょう。
不登校の兄弟の接し方で大切なこと
兄弟平等に「あなたたちのことを思っているよ」ということが伝わるように接することです。
2. 親御さん自身の周囲の人間関係を正していく
二つ目のアプローチとして、親御さん自身に目を向け、人間関係の悩みはないか?を洗い出し、良い方向に直して行くことです。
親の無意識が子供の問題行動となって現れていないか? を意識して、親御さん自身が、今一度振り返ってみることをおすすめします。
もし、長年抱えていた悩みなど、思い当たる点があれば御自身のこととして専門家に相談してみるのも有効です。
夫婦関係
夫婦で、遠慮なく言いたいことが言い合える関係かどうか?を振り返ってみましょう。ケンカばかりしていませんか?きちんと話が出来ていますか?
穏やかにお互いを尊重して良い感じの家庭を作っていくことで、親子関係も同様に良い方向へ向かっていきます。
子どもが、心を開いて自分の思っていることを親に言えるような環境であれば不登校といった状態にはならなくて済んだかもしれません。
嫁姑関係
嫁姑問題はありませんか?父親が仕事優先で、家族のことをおろそかにしていませんか?父親が知らないところで、嫁姑問題が大きくなると、やがては離婚問題に発展してしまいます。
嫁姑問題と不登校に何が関係あるか?と思われがちですが、子どもたちは、こういった不安定な家庭の雰囲気に我慢しているのです。
子供が家庭内の問題でストレスを感じると家族や学校に関わることを避けるようになってしまいます。
親戚関係
親の夫婦関係や嫁姑関係とともに、親戚関係が良好かどうかも不登校に影響します。親戚という微妙な距離を置きつつも、小言を言われたり、必要以上に気にされたりすると嫌になりますよね。得も言われぬプレッシャーを感じたりします。
親戚関係は夫婦関係、嫁姑関係より距離は置かれているように感じますが、血縁関係は濃いですよね。良好な関係を気付くのに、結構ハードルが高いと感じてしまいます。
以上の3つの関係を良好に保つには、相手を変えようとせず、自らの気持ちの持ち方を変えないとやっていけません。
多少、苦手意識があっても、「丁寧」に「穏やか」な姿勢で付き合うように心がけると良いでしょう。
人は、自分が「尊重」されている、とわかれば悪い態度をとろうとはしませんよね?「尊重」しているとわかってもらうには、「丁寧」に「穏やか」に接することです。行動するときや、言葉がけをするときに、このようなことを意識することで良い方向に関係が改善されます。
3. お子さんとの自然な会話を…
焦らずに、お子さんと向き合いましょう。不登校になっている状況を必ずしも悪い、ととらえずに、「お子さんと十分に向き合える時間」と割り切ってみましょう。
お子さんとの会話も、「穏やか」に「丁寧」に接することで、「自分はきちんと認められているんだ、」と認識できます。そのことが不登校を乗り切ることの第一歩なのです。
遠回りに感じてしまうかとも思いますが、焦らずに向き合っていけば、明るい未来も拓けます。
夫と夫の兄妹は、不登校経験者。全員が、就職し、結婚し、人の親になっている。そんな3人を育てた義母に息子の話をしたら、今の状態はずっとは続かないから大丈夫よ、と言われた。
今、何かすべきとも言われなかった。
ただ、とーこちゃんは、とにかく好きなことをしなさいねと言われた。— とーこ (@thoooko0106) May 2, 2019
https://twitter.com/vow_LION/status/1193463251247329281
突然すみません。私は4人兄弟で私以外の三人は不登校でした。親は『学校が全てじゃないけど、とにかく外に目を向けて』って感じでした。
偉そうな事は言えません。三人とも無事就職してますし私は教員をやってます。自分の好きな事を伸ばせる社会であることを祈ってます。— kura (@swanky238) May 3, 2019
このように、不登校に前向きに対処している親御さんや不登校を経験しても、立派に社会に飛び立っている人は多くいます。
不登校連鎖を起こさないために普段から気を付けること
不登校になってしまってから、慌てて対処しようとするのではなく、普段から、「兄弟揃って不登校にならないために気を付ける点」があれば、知りたくありませんか?
それは、普段から家庭が安心できる場であるように努めることとともに、学校に行っていることを褒めてあげるようにすることです。
家族がお互いに尊重しあって穏やかでいて、さらに、褒めてあげられるような余裕を持つことが大切です。
不登校の兄弟への接し方からわかること
例えば、子どもが不登校の兄弟に対し、
- なんで学校に行かないんだ!
- 学校に行けよ!
- 勉強しろよ!
と、上から目線で責めるような言い方をしていませんか。これでは兄弟の仲がますます悪くなり、不登校の子が余計に孤立してしまいます。
そして、注目すべきは、こういった責める言い方の陰には、
- 「○○は学校に行っていないでずるい!」
- 「自分も休めるなら休みたい」
といった感情が少なからずあるのです。
考えてみればわかると思いますが、兄弟仲もよく、学校が楽しくてしょうがない子は、不登校の兄弟に対し、責めたりする態度はとりませんよね。
「○○も学校に行けるようになるといいね」と思いやりのある言動をするかと思います。
なので、もし兄弟で不登校の子を責めるように言っている子がいたら、なんらかのストレスを抱えているとみて注意してあげてください。
- 学校ではどんなふうに過ごしているのか?
- 学校のことをどんな風に思っているのか?
をそれとなく聞いてあげるのも良いでしょう。
そのうえで、学校に行っていることを褒めてあげましょう。
安心できる環境づくりのための3つの肯定的な感情
不安定な環境も、まず家族のうちの一人が肯定的な感情で接することで、安心できる環境へと変化させることが出来ます。
- 「丁寧に」
- 「穏やかに」
- 相手を「尊重」して
以上の3つを意識して、行動しましょう。
このように行動することで「健康的な家庭環境」を築いていくことが出来ます。心が安定し、子どもたちも、家庭外でも、「丁寧に」「穏やかに」お互いに「尊重」しあえる人間関係を作ることが自然と出来るようになります。
不登校には直接関係ない、、、と思われがちですが、根っこの部分を正していくことが大切です。
まとめ
一人の子が不登校になることで、他の兄弟にも不登校が連鎖してしまうことは多くあるようですね。その理由は、親御さんのお子様に対する接し方が適切ではない場合がありましたね。
接し方で大切なのは、不登校の子供、学校に行けている子、両方に平等に関心を持ってあげることが大切でした。
また、不登校の原因は、お子様自身の問題に限らず、親御さん自身が気づいていない身近な人間関係での悩みに関連している場合が判明しました。問題点があると感じる場合は、ご自身のこととして、専門家の助けを得ることも有効です。
不登校にさせないためには普段から、安心できる家庭、家庭内での信頼できる人間関係 を作ることを意識することが大切です。
不登校を連鎖させないためには、普段からお子さんの言動に注意して、その裏に隠れている感情を見定めて対応してあげることが大切です。
安心できる環境づくりのための3つの肯定的な感情も参考になればと思います。
兄弟揃っての不登校を、乗り越えた人たちの生の声も紹介しました。じっくりと焦らずに対応していくことが大切です。