中学を卒業した後に、普通科の学校ではなく、もっと専門的な学習ができる学校にいきたいと言う声が増えてきています。
とはいえ、親としてはいきなり専門的な分野に挑戦して挫折したらどうしようと心配になるのではないでしょうか。
そうなると、
「専門的な勉強もしつつ、高卒の資格も取得させたい」
と考える方も多いでしょう。
そこで今回は
・高卒資格を取得できる専門学校があるのか
・条件付きで高卒資格を取得できる専門学校
・専門学校ではないが、高卒の資格を取得でしながら専門的分野について学べる学校
以上の3点について詳しくご紹介していきます。
高卒資格を取得できる専門学校はある?
引用:岐阜工業高等専門学校
結論からいうと、高卒資格を取れる専門学校はあります。
それは、
高等専門学校
です。
一般的に「高専」と呼ばれる高等専門学校は、高卒資格をとれる唯一の専門学校です。
少人数のクラス編成で学習できることが強みとされており、実験や実習などの経験を豊富に体験することのできる環境で、卒業時には短大卒業と同等程度の知識や技術が身につけられるとされています。
さらに、就職率においても、ほぼ100%の就業率となっています。
大学卒の技術者と並んで各方面で活躍している方も非常に多く、卒業後も生活に困ることは少ないでしょう。
入学ができればメリットの多い高等専門学校ですが、デメリットもあります。
その一つが、通学の期間の長さです。
通常の高等学校は入学から3年間で卒業するようにカリキュラムが組まれていますが、高等専門学校では、入学から卒業まで5年間を要します。
また、高等専門学校は、大学と同様に高等教育機関になるため、高い学力が必要とされています。
もちろん、入学した後も高い学力が求められます。
口コミを見てみると、卒業するにはかなりの勉強量が必要となり、留年もありえるということも知っておいてください。
「高専は高い就職率!」「高専は大学の工学部への編入も可能」
ただし、勉強は入学後、通常の高校よりきつくなります。
留年率は普通高校よりかなり高いです。
この点、留意が必要。
— 仙台・宮城のプロ家庭教師☆菊池☆ (@ProTeachKik) September 20, 2019
高等専門学校のメリット・デメリットをまとめると次の通りです。
メリット
・卒業時には準学士(短大卒と同等)の称号がもらえる
・ほぼ100%の就業率
デメリット
・高い学力が必要
・学校卒業までに5年間かかる
・工業系や商船系のコース以外はほとんどない
条件付きで高卒資格を取りながら専門知識を学べる学校がある
高等専門学校は、卒業と同時に無条件で高卒の資格が取得できる唯一の専門学校ですが、入学に対するハードルがかなり高いのは事実でしょう。
また、工業系や商船系以外の勉強をしたいと思っている方も多いと思います。
そこで、入学を考えたいのが、
高等専修学校
です。
高等専修学校は、中学卒業後の一般科目に加え専門技術を学ぶことができる専門学校です。
高等専修学校は大抵は私立で、専門学校と同様のカリキュラムを受けて職業教育を受けつつ高校卒業資格ももらえる学校。
高等専門学校はおおよそ国立の工業高等専門学校が多くてですね、大学に途中から編入できる。あとロボコンやってる。
専門学校は、高校卒業後に資格取得するとこ
専修大学は固有名詞— かものはしfullcine (@kamokamo156) March 30, 2021
入学難易度も高等専門学校と比べると圧倒的に低く、入学する意思さえあれば、ほぼ合格ができるようになっています。
また、専門的に学べる内容も高等専門学校と比べると幅広くなっており、やりたいことを学べる学校を探せる可能性は高いです。
ただし、高等専修学校は高等学校ではないので、卒業するだけでは高卒資格は取得できません。
ですので、高等専修学校で学びながら高卒資格を取得したいのであれば、別の高校に入学して、高卒の資格を同時に取得する必要があります。
ただ、最近の高等専修学校は、技能連携制度を利用して、通信制高校と合わせて入学できるようになっている学校も多く、実質高等専修学校に入学するだけで高卒資格を取得できるようになっています。
引用:高等専修学校とは? | 中学生の皆さんへ | しずおか専門学校ナビ|静岡県職業教育振興会
たしかに、専門分野と共に高卒資格を取得するための勉強も必要になるので、勉強量が増えるように感じてしまいますよね。
しかしご安心ください。
技能連携制度では、高等専修学校で学んだことの最大半分を高校の単位とみなすことができるようになるため、実際に勉強量が格段に増えてしまうということはありません。
ただ、卒業に関しては専門分野によって年数が異なるため、高等専門学校と同様、卒業に5年かかってしまう場合もあります。
また、基本的には就職準備を前提にカリキュラムが組まれているため、進学はしにくいです。
ですので、途中で希望進路が変わった場合は、苦労する可能性が高いでしょう。
さらに、高卒資格を取得するためには専修高等学校以外に、提携の高等学校に所属する必要があります。
実質ダブルスクールのような形になるため、その分学費が高くなる可能性が高いです。
専修高等学校のメリット・デメリットをまとめると次の通りです。
メリット
・さまざまなコースがあるため、自分の夢を実現しやすい
・入学試験は易しいため、入学のハードルは低い
デメリット
・ダブルスクールのようになるため、学費が高い
・就職以外の道を選ぶのは難しい
専門学校ではないけど専門分野を学びながら高卒資格が取れる学校とは?
ここまで高卒資格の取得を目指せる学校として、高等専門学校と専修高等学校を紹介していきました。
しかし、それぞれの学校にそれなりのデメリットがあるのも事実だと思います。
そこで、それぞれのデメリットを極限まで減らして、なおかつ専門的な学習を行いながら高卒の資格も取得できる学校を最後に紹介します。
それは、
通信制高校
です。
通信制高校と聞くと、何らかの事情で高校に通えなくなってしまった生徒が高卒資格を取得するための学校というイメージが強いかもしれませんが、そんなことはありません。
通信制高校でも専門的な勉強を行うことが可能です。
例えば、第一学院高等学校では、ネイルコースや漫画家コース、スポーツコースなど、広い分野から専攻を選ぶことが出来ます。
引用:美容コース | コース紹介 | 通信制高校(単位制)なら第一学院高等学校
通信制高校が近くにはないと思う方もいるかもしれませんが、実際は高等専門学校や専修高等学校よりも学校数は多いです。
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— KTCおおぞら高等学院/公式 (@ktcschool) November 27, 2019
東京で高卒資格の取れる東京自由学院のサポートシステム 本日は東京で高卒資格の取れる東京自由学院のサポートシステムをご説明させて頂きます。 1、高校卒業資格を取得できる通信制高校2、通信制高校のサポートシステムとは3、東京自由学院の指導内容4、プロが教える音楽・…
— @音楽・芸能東京自由学院 @音楽専門@通信制サポート校 (@tokyojiyugakuin) July 16, 2020
通信制高校であれば、専修高等学校のようにダブルスクールのような形にはならないので、学費が極端に高くなることはありません。
また、大学進学を目指すコースが用意されている高校も多く、仮に途中で希望進路が変更となり、大学や専門学校への進学を考えるようになったとしても、対応してもらえます。
通信制高校はこのようにさまざまな点でメリットがあります。
正確には専門学校ではないのですが、実際は専門学校とほぼ同様の内容を学ぶことができます。
通信制高校の唯一のデメリットは、授業が単位制になっている場合が多いため、自分で計画的に学習を進めないと、卒業単位が取れずに卒業できません。
通信制高校は、安易にいかせるべきではない。
楽そうに見えて実際は大変。
ほとんど自力で勉強・サポートなし。
なのでサポート校を併用する人が多いのが実情。— 甘いもの食べたい (@ringo_suki3150) March 2, 2016
とはいえ、最近の通信制高校は、さまざまな形で学習をサポートするシステムを構築してくれるところが増えているため、実際には問題なく自分で学習を進めることができている子がほとんどです。
ですので、これに関しても、そこまで大きく心配する必要はありません。
通信制高校のメリット・デメリットをまとめると次の通りです。
メリット
・通信制高校ならではのユニークな授業を選択できる
・通信制高校は数が多いため、全国から通うことができる
デメリット
・自力で勉強して卒業単位を取得する必要がある通信制高校もある
まとめ
今回は、高卒資格が取れる専門学校について紹介してきました。
今回の記事をまとめると、
・高卒資格を取れる専門学校はある。
・高等専門学校では専門知識と高卒資格の取得に加えて、卒業時には準学士の称号も得られるが、高い学力が必要
・職業体験に近い実習や実技に力を入れた高等専修学校では、通信制高校と同時入学する技能連携制度を利用すれば卒業時に高卒資格を取得できる。
・専門学校ではないが、通信制高校でも広い分野の専門科目を学べる。
でした。
学びたいことを学びながら高卒資格を取得する方法はたくさんあります。
今回の記事を参考に、ぴったりの進路を見つけてみてください。