「通信制高校を考えているんだけど、転入と編入ってどう違うの?」
「転入と編入を選ぶとしたら何に注意すべき?」
「転入と編入だと自分にはどっちが良いのだろう。」
といった疑問にお答えします。
転入と編入は言葉は似ていますが、全く違うものです。これを理解しないまま勢いで選択してしまうと、損をすることも!?
大切な進路ですからしっかり理解していただくために、
ここでは、転入と編入について
〇そもそも、転入と編入の意味は?
〇転入や編入を実際にした人の声が知りたい!
〇転入と編入するときの注意点は?
〇結局、転入と編入のどちらが自分に合っているの?
などの疑問について、わかりやすく解説していきます。
目次
そもそも、通信制高校への転入と編入の意味は?
転入とは
転入学。今在籍している学校を退学せずに、新しい学校へ移ること。(=転校)です。
編入とは
編入学。高校を退学した後に、違う高校に再入学すること。
要するに、高校を退学しているか、していないか。という違いになります。
現時点で、全日制の高校に在籍している人は、転入か編入のいずれかを選ぶことができます。既に高校を退学している場合、転入はできません。
編入のみということになります。
通信制高校へ実際に転入や編入した先輩達の声
実際に転入、編入した人やその家族がどのようなことを思っているのか見てみましょう。
https://twitter.com/Hi0034n/status/1248639254839709697
いいですか、逃げもひとつの勇気です。
実際私は高校2年から通信制高校に編入しました。
もちろん法に触れることはNGだったけど、それ以外は私服で学校行っても良かったしメイクしてもピアスしても先生が「いいじゃん」って言ってくれるような学校でした。
有意義な高校生生活ができたと思ってます。— しゅがりん@固定ツイ気が早すぎ企画中 (@Sexysugar1222) May 28, 2019
https://twitter.com/megumilk0710/status/1074844523094671361
転入・編入したことで良かった事
・対人関係に悩まなくなった。初めて学校が楽しいと思えるようになった。
・バイトなど自分のやりたいことに時間が使える。
・編入し、同じ社会人がいることが励みになる。
転入・編入したことで良くなかった事
・周りの人が通信制の良いイメージを持っていない。
・バイトなどの面接で通信制のことについて必ず聞かれる。
・編入のタイミングが遅くなってしまい、卒業が伸びた(遅れた)
・生活リズムを整えられず、全日制に戻りたくなった。
せっかく転入・編入したのに、「良くなかった」とは思いたくありませんよね。
極力、失敗や損をしないためには、注意点について押さえておく必要があるといえます。
通信制高校に転入と編入するときの注意点は?
転入、編入する際にどのようなことに気を付ければよいのかを解説します。
先ほどの実際の声を深掘りして、通信制高校へ転入・編入する時の注意点やポイントを
- 通信制高校を下調べする
- 自己管理が必要
- 全日制には戻りにくい
- 様々な年齢の人がいる
- 通信制高校を選択した意思や理由を持つ
- 編入を選択すると退学の経歴が残る
- 入学のタイミングを逃すと損してしまう
ということについて解説していきます。
通信制高校の下調べをする
実際の声の中に「対人関係に悩まなくなった。学校が楽しいと思えた。」とありました。
これは、自分の悩みを解決できる通信制高校を見つけることができた。ということでしょう。
こういった声は特に転入した方に多く見受けられました。前の高校で人間関係がうまくいかないことが理由で、通信制高校へ転入する人が多い表れだと思います。
「いじめがない」「先生が優しい」といった口コミが多い通信制高校もたくさんあります。
そういった学校の雰囲気や、自分が学びたいこと、色々な視点から通信制高校を調べてみましょう。前の高校での悩みを解決してくれる、あなたに合った通信制高校が見つかるはずです。
この下調べをしておかないと「想像と違った」なんてことになりかねません。気になる学校を見つけたら、資料請求や実際に見学してみることを強くおすすめします。
注意
“通信制”とはいえ、スクーリングが必要です。ですから、その通信制高校が指定する都道府県に住んでいない場合は入学できません。中には指定の都道府県に住所があればOKというところもあります。
自分が住んでいるところに行きたい通信制高校がない場合や、近くに通信制高校がないという場合、全国を網羅している広域通信制高校を検討しましょう。地方や海外に住んでいても年に1~2回の集中的なスクーリングのみで単位が取れるところもあります。これなら年に1~2回の宿泊や帰国で対応できますね。
自己管理が必要
「バイトなど自分のやりたいことに時間が使える。」ということは、裏を返せば“自己管理”が必要ということになります。
勉強も好きな場所で好きな時間に行うことができます。自由に時間を使うことができるのは通信制高校のメリットの一つです。
ですが、こういったメリットの裏側に、計画的に自学自習していかなければいけないことや、日常生活を自分でコントロールしなければいけないことがわかります。
ポイント
自分は転入や編入をしてまでなぜ高校へ通いたいのか。将来どうなりたいのかというしっかりとした理由や意思を持つことが大切。
自己管理が厳しいなと感じたときは周りの大人や学校の先生を頼りましょう。きっと力になってくれるはずです。
生活リズムを崩したくない人は、週5のスクーリングコースがある通信制高校を選ぶのも良いでしょう。サポート校を利用するのも一つの手です。
全日制には戻りにくい
「生活リズムを整えられず、全日制に戻りたくなった。」少なからずこういった声もいくつかありました。
転入にしろ編入にしろ、通信制高校へ入学したものの、「やっぱり自分に合わなかった」、「また全日制に戻りたい」となってしまった時、全日制の高校へ行くことができるのか。
これに関しては一言でいうと“難しい”です。
100%不可能というわけではありませんが、住んでいる都道府県の制度や取得単位のこと、行きたい全日制高校の状況など、そうとう細かな条件をクリアしないといけません。
行きたい全日制の高校を再受験し、1年生からやり直す。という方法もありますが、現実的ではないと思います。
中には、通信制高校と全日制高校が同じ系列で併設している私立の学校であれば転籍できることもあるようです。
このように通信制高校を選択した場合は、全日制高校へ戻したくても戻しにくいと言えます。ですから、
ポイント
通信制高校へ行くと決めるのは必ず自分の意思で決めましょう。
何となく今の学校が嫌だからと通信制高校を選んだり、家族に勧められてしょうがなく通信制高校を選んだというようなことはしないほうが賢明です。
様々な年齢の人がいる
通信制高校は、年齢に関しては条件(年齢の上限)はありません。
もちろん高校1年生になる前(14歳以下)は入学できませんが、中学を卒業した満15歳以上であれば、何歳でも入学可能です。なんと80代の方が在籍している通信制高校もあるのです。
とはいえ、通信制高校に在籍している方の多くは17歳から21歳のようです。
全日制の高校では、15歳~18歳がほとんどでしょう。この違いを少しイメージしておかないと「思ってた高校生活とは違うかも」ということになりかねません。
社会人や主婦の方が編入するのであれば、年齢が近い人がいる可能性があります。それが良い刺激になる場合もあるようです。
通信制高校を選択した意思や理由を持つ
通信制高校に対してを持ネガティブなイメージっている人が多いのも事実です。
ですがそういった方のほとんどは通信制高校の知識不足です。今の時代通信制高校を選択する生徒はどんどん増えてきていますし、多様性に長けている学校はむしろ強みになります。
否定的な言葉を投げかけられることもあるかもしれませんがそのようなことを言ってくる人が、
自分の人生の責任を取ってくれるわけではありません。
ポイント
自分はなぜ通信制高校に転入・編入したのか。その理由をしっかり持つことが何より大切です。自信を持ちましょう。
経歴について編入を選択すると退学の経歴が残る
「バイトなどの面接で通信制のことについて必ず聞かれる」とありました。
これだけでは、面接官がどういった意図で質問しているかは分かりませんが、これに関連して“経歴”についてお伝えします。
バイトや就職する時に履歴書が必要になりますが、
転入の場合は、[△△高校 転入学]と記載します。
編入の場合は、[△△高校 中途退学]、[◇◇高校 編入学]と記載します。
注意
編入を選択した場合、書面上ではありますが退学の経歴が残ることになります。
直接的にバイトや就職先の評価にはなるとは思えませんが、面接で問われることも多いようです。
このような経歴を気にする人は、在学中の高校を退学をせず、転入を選択しましょう。
退学した理由と通信制で頑張ろうと思った経緯を答えられれば全く問題はありませんが、このように経歴の違いがあることは把握しておきましょう。
入学のタイミングを逃すと損してしまうこともある
転入や編入のタイミングを逃してしまうと、せっかく取得した単位が無駄になってしまうだけではなく卒業が伸びてしまいます。
転入や編入において、一番注意しないといけない部分ですので、連動している事柄を細かく、
- 単位の引き継ぎについて
- 入学時期と卒業時期について
- 学費について
この3点に分けて解説します。
単位の引き継ぎについて
単位については、転入でも編入でも、元の高校から引き継ぐことができます。
注意
ただし、引き継ぐことができる単位は、前年度の単位までです。
つまり、2年生の3学期に転入もしくは編入したとします。
そうすると、1年生の時の単位しか引き継げないため、2年生の1学期と2学期に取得した単位は引き継ぐことができません。
せっかく取得した単位ですから無駄にしたくないですよね。
単位や卒業時期のことを考えると、学年が変わるタイミングで転入または編入を検討すると良いでしょう。
入学時期と卒業時期について
転入の場合、今までの高校で取得した単位や通っていた期間によって、現時点での学年から入学することができます。
タイムロスがなく、高校を移ることができるため、新しい学校でも同じ学年の子達と一緒に卒業をすることができます。
編入の場合は、新しい学校で同じ学年の子達と一緒に卒業するといったことが難しくなります。なぜなら、退学をしていることによって、高校に在籍していない期間が生じるためです。目安として半年~1年卒業がずれてしまうことが多いようです。
その理由の1つとして、転入の募集時期は随時受け付けているところが多いのに対し、編入は願書受付の時期が決められてらいる通信制高校が多くあるためです。
もちろん、随時受け付けてくれる高校もありますが、
効率よく編入するためにも必ずチェックしてタイムロスを少なくなることを意識しましょう。
ポイント
入学時期を決めることは卒業時期を決めることにつながります。
卒業後の進路によっても、卒業時期は大切なポイントとなるので、各通信制高校のホームページで調べたり、資料請求するなど、よく検討したうえで決定しましょう。
学費について
通信制高校は必要な単位数によって学費が変わります。“1単位いくら”と決まっているところがほとんどです。
転入・編入どちらの場合も、単位を取るためにかかる学費は同じです。ですが、その他の諸経費となると話が変わってきます。在籍している期間が長くなれば、その分諸経費がかさむことになります。
注意
編入によって卒業が伸びた場合や、転入であっても卒業に必要な単位数を取得していないと卒業が伸びることになります。
卒業や進学を目指すためにサポート校の利用や塾へ通うなどしたい方も多いのではないでしょうか。
このように学費以外にも何かとお金がかかります。ですから学費はなるべく負担のないようにしたいですよね。
ポイント
希望する高校の情報や各種制度(就学支援金制度や奨学金制度など)を利用することで、負担を減らすことができる可能性があります。
どのような制度があって、自分の家庭ではどの程度支援を受けることができるのかを確認しておきましょう。
通信制高校への転入と編入は結局どちらが自分に合っているの?
転入と編入においての注意点やポイントを見てきましたが、「結局のところ、どっちがいいの?」という疑問にお答えします。
現在、高校に在籍している場合は、転入を選ぶことをおすすめします。
転入にすることで入学するタイミングを選択しやすいですし、卒業までの期間も最短となります。
また、編入に比べると、学費が必要最小限で済みます。
ですから、現在退学を考えている方は、転入となるように現在の高校と希望する通信制高校の双方に相談してみると良いでしょう。
ですが、一人ひとりの状況は違いますよね。今の状況はもちろん変えることができませんから、比較しても仕方ありません。
中にはすでに高校を退学し、編入の道を選択するしかない人もいるでしょう。
また、自分の病気やケガなどの関係で一度退学した後、ゆっくり静養して心身を整えてから編入する方が良い場合もありますし、
自分のペースでゆっくり確実に勉強していきたいという思いがあれば、
多少取得単位を無駄にしたとしても、1学年下からやり直すことを選んでも良いと思います。
ポイント
今現在の自分の状況や、選択する通信制高校、将来の目標など様々な視点から考え、転入にするか編入にするかを決めていくことが大切です。
どちらを選択しても通信制高校を卒業することができれば、高卒の資格を得ることに代わりはありません。自分の考えや目標、意思をしっかりと持って新しい環境へ一歩踏み入れましょう。
通信制高校への転入と編入についてまとめ
ここまでの解説をまとめます。
〇転入と編入の意味の違いは、高校を退学しているか。
〇転入、編入で気を付けるポイントは色々あるが、一番注意したいのは入学する時期。
〇できるなら転入を選択できるように検討することをおすすめ。
いかがだったでしょうか。
転入と編入についてのさまざまな違いを知っていただけたと思います。
通信制高校は、自分の意思を強く持って、自己管理していくことが必要な学校といえます。将来的に自分がどうなりたいのかという思いをしっかり考えていきましょう。
この記事が通信制高校への転入または編入を検討している方のお役に立てば幸いです。