通信制高校の受験を検討するにあたって、学校に毎日行かなくていいのに、
「ちゃんと卒業できるのだろうか?」
「どれぐらいの人たちが卒業してるの?」
「卒業まで何年かかるんだろう?」
といったことを疑問に思う人は多くいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
・通信制高校の卒業率
・通信制高校は何年ぐらいで卒業できるのか
・通信制高校で卒業を失敗しないためには
について詳しく説明していきます。
目次
通信制高校の卒業率は?
とある受験生の声
通信制高校って、卒業するの難しいらしよ
なんてことを聞いたことはありませんか?
確かに通信制高校は自主学習がメインなので、卒業までに挫折してしまいそうなイメージがありますよね。
では実際の卒業率はどれほどのものなのなのでしょうか。
文部科学省の調査(児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査)から明らかになっていますので見てみましょう。
年度 | 通信制高校卒業率 | 全日制高校卒業率 |
平成30年度 | 94.6% | 99.1% |
平成29年度 | 95.1% | 99.1% |
平成28年度 | 94.5% | 99.2% |
平成27年度 | 94.5% | 99.1% |
平成26年度 | 94.8% | 99.1% |
このデータから通信制高校の卒業率は約94%前後となっています。
全日制高校の約99%という卒業率と比べても、同じように90%を超えているので通信制高校の卒業率は高いと言えるでしょう。
通信制高校の卒業率が高いのには、通信制高校ならではのこのメリットがあるためではないでしょうか。
・毎日学校に行かなくていい
・単位制だから
通信制高校を選ぶ人の中には、不登校だった人や、働いている人など、複雑な事情を抱えている人が多くいます。
そのため、自分自身で学校生活をコントロールできる方が続けやすいのです。
登校する回数が少なく、学年の定義がなく留年することがないという、この仕組みの中でマイペースに学習を進めていけることが、卒業率の高さに繋がっているのではないでしょうか。
通信制高校は何年ぐらいで卒業できる?
通信制高校にはそもそも学年という定義がなく、必要単位数を取れば卒業できるので、
「何年通えばいいんだろう」
「どのぐらいの期間で単位が取れるんだろう」
といったことが疑問に浮かぶと思います。
そこで、何年で卒業することができるのかについて詳しくご説明していきます。
ズバリ、卒業までの年数は最短で3年です。
海外のように飛び級制度はないので必ず3年は在籍する必要がありますが、その間に全ての単位を修得できなくても、修得できるまでいつまでも高校生でいるとこができます。
ほとんどの通信制高校は在籍上限がないので、「10年かけて卒業した」なんていう人もいるようです。
なお、在籍上限が6年や8年と決まっている学校もありますので、それまでに単位修得ができないと中退することとなる可能性もあるので気をつけましょう。
それでは、通信制高校ではどうすれば卒業することができるのか解説していきます。
通信制高校を卒業するには、
・通常の授業で74単位
・特別活動で30単位
を修得しなければなりません。
なお、転入や編入などによって途中で高校を変わった場合には、前の高校で修得した単位を引き継ぐことができます。
そして単位の修得をするためには、
・通常の授業 レポート提出、スクーリング、試験
・特別活動 ホームルームや文化祭、体育祭などの学校行事に参加
を繰り返し行う必要があります。
通信制高校を卒業した後に、大学や専門学校への進学、就職などの進路を考えているならば、最短の3年できっちり卒業したいですよね。
では、この単位を3年間できっちりと修得するためにはどうすればいいのかについて詳しく説明していきましょう。
最短期間で卒業するための方法
通信制高校を最短で卒業するためには、「自ら進んで勉強する」ということに尽きるでしょう。
通信制高校ではクラスで授業を受ける機会が少なく、「自主学習」を基本としているので、独りで学習していかなければなりません。
しかし、自宅で独りで学習していると、
「モチベーションが続かない」
「集中力が続かない」
といった人も多く、ついつい勉強を先延ばしにしてしまいます。
そうすると、もう1年、また1年と、卒業まで先延ばしになることもあるかもしれません。
そうならないために、自宅学習を身に付け、きっちり学習を進めていきたいですよね。
そこで、自宅で集中して勉強をするためのポイントを6つご紹介します。
このポイントを意識することで集中力はグンと上がりますよ。
ポイント
・朝起きる
・服を着替える
・部屋を片付ける
・その日のやるべきことを決める
・スマホの電源を切る
・休憩を取る
自宅で勉強が捗らない原因の多くは、誘惑が多く緊張感が生まれないためです。
そこでまずは、一日一日しっかりと勉強を進めていくために、生活習慣を見直し、勉強計画をしっかり立てましょう。
何も予定を立てずにダラダラするのではなく、やるべきことを明確にして、休む時は休む、というメリハリをつけることで自宅でも集中することができます。
また、意識が分散されないように、散らかっている部屋を片付けて、勉強中はスマホの電源を切るということも大切です。
一度集中力が途切れてしまうと、取り戻すのに時間がかかってしまいます。集中力を持続させるための環境作りも行うようにしましょう。
自宅学習は「自分との戦い」で、孤独を感じることもあるかもしれません。
しかし、通信制高校ではクラスメイトも同じように頑張っているので、スクーリングなどの際に悩みを共有することができます。
お互いに高め合いながら、学習を進めることができる仲間を見つけることで自宅学習が楽しくなるかもしれません。
通信制高校で卒業を失敗しないためには?
せっかく入学した高校。途中で挫折することなくしっかり卒業したいですよね。
通信制高校を卒業するためには、まず、自分に合った学校を選びをするということがとても重要です。
通信制高校を途中で辞めてしまった人たちは、なぜ辞めてしまったのでしょうか。
例えば、
・学校の雰囲気に馴染めない
・授業の内容に興味が沸かない
・人間関係が上手くいかない
・高校生活に対して熱意がない
といった理由が挙げられます。
これらの原因の多くは、受験をする前に学校についてのリサーチがきちんとできていなかったためと考えられます。
そのため、理想と現実のギャップから「高校生活に対して熱意がない」ということになっているのではないでしょうか。
そういった結果とならないために、学校を選ぶ際はどういったポイントを確認すればいいのでしょうか。
3つにまとめてみました。
ポイント
・スクーリング回数は自分に合ったものを選ぶ
・興味のある分野のコースを選ぶ
・サポート体制が万全な学校を選ぶ
このポイントに注意して学校を選ぶことで、入学後に、
「あれ、なんか違う」
ということを防ぐことができます。
では、具体的にどういった学校を選べばいいのか、解説していきます。
スクーリング回数は自分にあったものを選ぶ
通信制高校を選ぶ人の中には、
「不登校で学校に苦手意識がある」
「朝起きることができない」
「働きながらだから学校にいくのがしんどい」
という悩みを抱える人も多くいるのではないでしょうか。
そこで、自分に合った最適なスクーリング回数の学校を選ぶことをおすすめします。
スクーリングの回数は学校によって様々です。
例えば、
・週1回だけ
・週5回
・数日間の合宿
・1ヶ月〜2ヶ月間集中
などです。
人間関係を築くのが不得意な人や、学校に通うことに対して苦手意識がある人は、なるべく回数が少ない学校を選ぶようにしましょう。
スクーリング以外では他の生徒と会うこともありませんし、みんな同じようにほとんど登校していないので、無理に馴染もうとする必要もありません。
また、働きながら通う場合は、なかなか休みが取れないという人も多くいると思います。そのような人たちのために、夏休みの連休を使って、合宿型のスクーリングを行っている学校もあります。
自分自身の生活スタイルや目的に応じて、無理なく続けることができる学校を選びましょう。
興味のある分野のコースを選ぶ
通信制高校の中には、専門的な知識を学ぶことができる様々なコースが用意されています。
「授業内容がつまらない」
「学校が面白くない」
と感じている人は、勉強に対して興味がないのではなく、学ぶ内容について興味が持てないということがあるのではないでしょうか。
「やりたいこと」や「好きなこと」があるのであれば、そういったことを勉強してみるのもいいかもしれません。
具体的にどんなコースがあるかというと、
・調理系
・スポーツ系
・ファッション系
・美術系
・美容系
など様々です。
eスポーツコースという珍しいコースがある学校もあります。
https://twitter.com/cyclops_osaka/status/1250969468349472768?s=21
https://twitter.com/cyclops_osaka/status/1250969468349472768?s=21
こういった専門コースでは、専門的な内容の授業も卒業認定単位としてカウントしてくれます。高校卒業資格を取りながら夢の一歩を踏み出すこともできるので、一石二鳥ではないでしょうか。
さらに、学校で同じ夢や目標を持つ仲間と出会い、切磋琢磨することで、勉強に対するモチベーションを保ち続けることができるかもしれません。
サポート体制が手厚い学校を選ぶ
通信制高校は「自主学習」がメインとなっています。
しかし、独りで勉強する習慣のない人や、働きながら学校に通う人は、学習意欲を保つことができずに単位を落としてしまうということがあるかもしれません。
そこで、意思が弱い人や、学習時間を十分に確保できない人は、サポート体制がしっかりしている学校を選ぶようにしましょう。
例えば、
・オンライン授業を実施している
・少人数・個別指導がある
などといった学校です。
オンライン授業を取り入れている学校なら、ただ机に座って教科書を広げて勉強するだけでなく、直接先生やクラスメイトと会話をしながら進めていくことができます。
これなら自宅でも学校で勉強している感覚が得られ、モチベーションを保つことができますよね。
通信制高校の実際のオンライン授業の様子です。
【N高ブログ】<N高マイプロジェクト>"マイ"があふれるプロジェクトで自己実現を目指す!「N高マイプロジェクト2019」始動 | N高等学校(通信制高校 広域・単位制) https://t.co/dchkSyAFqM#N高 #N高マイプロジェクト #プロジェクト活動 #オンライン授業 #Zoom
— N高等学校・S高等学校(9/27(月)2022年4月新入学生 出願開始!) (@nhigh_info) June 21, 2019
■ルネブロ更新
大阪・東京に続き、ルネサンス豊田高校も
#eスポーツ コースが始まりました!【名古屋栄eスポーツ開講】初回授業の様子をご紹介! https://t.co/U0xRrMc4J1#ルネ高 は#オンライン授業 の#通信制高校 です。 pic.twitter.com/7LSzMxtZMx
— ルネサンス豊田高校【公式】 (@runekoutoyotacp) April 22, 2020
また、個別指導や少人数制クラスを実施している学校であれば、一人ひとりの理解度に合わせて授業を進めてくれたり、分からないことはすぐに質問しやすいという特徴があります。
勉強の内容が分かるようになれば、学習意欲を取り戻すことができるのではないでしょうか。
まとめ
それでは、通信制高校の卒業事情についてまとめていきましょう。
まとめ
・卒業率は約94%
・最短3年で卒業できる
・自主学習を制したものが卒業できる
・学校選びが卒業のカギとなる
通信制高校は全日制高校と違い、学習する内容や学習する時間を自分で自由に決めることができます。自分で決めたことに対して責任を持ち、学習を進めていける人なら卒業は決して難しくありません。