最近は、様々な通信制高校ができており、通い方なども豊富となりました。
そうなると、各通信制高校の
「学費が安いのか高いのかわからない」
「全日制高校と比べてどうなの」
といった疑問がでてくると思います。
そこでこの記事ではそれぞれ公立・私立別に通信制高校と全日制高校の学費について解説します。
目次
全日制高校に1年通う金額で通信制高校を卒業できる!?
私立に比べれば、公立の方が学費が安くなるのは当然として、公立の通信制高校と全日制高校では、どれくらい学費が違うのか気になりますよね。
下の表は、一つの目安となります。
通信制高校 | 全日制高校 | |
入学金 | 500円 | 5,650円 |
授業料 | 1単位336円 | 年間11.8万円 |
施設設備費等 | 年間約3万円 | 年間約3万円 |
年間学費 | 4~6万円 | 約45万円 |
そうなんです、同じ公立とはいえ、通信制高校と全日制高校では、学費に40万円程度の差があります。
公立の通信制高校と全日制高校のが学費についてそれぞれ詳しく説明します。
通信制高校
通信制高校 | |
入学金 | 500円 |
授業料 | 1単位336円 |
施設設備費等 | 年間約3万円 |
年間学費 | 4~6万円 |
どの学校でも学費の内訳は、入学金(初年度のみ)・授業料・施設設備費等になっています。この3つの中で授業料が最も高いです。
公立の通信制高校の1年間の目安として約4~6万円かかります。
高くても年間10万円程度です。3年間での卒業なら総額約30万円ですね。
公立の学費は自治体ごとに決まっていて、東京都では入学金500円、授業料1単位336円となっています。
たしかに、授業料を1単位ごとに計算するというのは、疑問に思うかもしれませんね。
しかし、これには理由があります。
通信制高校では自分で授業をいくつとるのか決められます。生徒一人ひとり受けている授業の数が違うのです。
ですので、授業料は年額ではなく1単位の金額で計算します。
卒業単位数は3年間で74単位なので年間で25単位とれば必要単位数を満たせます。
授業料の年額はだいたい25単位×336円=8400円(東京都の1単位の金額)になります。
通信制高校の公立は学費が安い分デメリットも多いです。
各都道府県に1、2校しかなかったり、勉強のサポートが少なかったりします。公立の通信制高校では同県に住んでいる人しか受験できないといった制約もありますので、学費だけで安易に公立に決めてしまわないようにしましょう。
全日制高校
全日制高校 | |
入学金 | 5,650円 |
授業料 | 年間11.8万円 |
施設設備費等 | 年間約3万円 |
年間学費 | 約45万円 |
通信制高校の学費では入学金(初年度のみ)・授業料・施設設備費等だけでしたが、全日制の高校では通信高校と比べて修学旅行や文化祭、体育祭といった行事や部活動を実地しているので費用は通信制高校と比べるとすごく高いです。
なので表に記載してある金額よりも年間にかかる金額は高くなります。
1年間にかかる学費の平均は45万円です。通信制高校では3年間で30万円しかかからないのに、全日制高校では1年間で通信制高校よりもも多く学費がかかります。
入学金と授業料は全日制の公立高校でも自治体によって決められています。
例えば、東京都の入学金は5,650円、授業料は118,000円です。
学費を第一に考えるなら通信制、全日制にかかわらず公立を選ぶのが確実でしょう。
私立の学費は通信制、全日制にかかわらず学費の幅が広い
私立の場合、通信制でも全日制でも、学費の幅が大きいのが特徴です。専門か普通科かということでも大きく変わってきますし、部活動の有無、不登校サポート、登校回数によっても変わってきます。
下の表は標準的な私立高校の、学費の平均です。
通信制高校 | 全日制高校 | |
入学金 | 2~5万円 | 25万円 |
授業料 | 1単位6千円~ | 46万円 |
施設設備費等 | 年間約3万円 | 年間4万円 |
年間学費 | 10~80万円 | 70~190万円 |
私立高校の場合は同じ通信制高校であっても、70万円程度の差があり、全日制も含めると、最大150万円以上の差があります。
私立の通信制高校と全日制高校のが学費についてそれぞれ詳しく説明します。
通信制高校
通信制高校 | |
入学金 | 2~5万円 |
授業料 | 1単位6千円~ |
施設設備費等 | 年間約3万円 |
年間学費 | 10~80万円 |
登校回数、スクーリングといいますが、学費はスクーリングの回数によって学費は大きく変わります。
通信制高校では月数回、年に一度集中スクーリングをする、または通信制高校なのに週5登校の学校もあります。スクーリングが多いほど学費は高くなっています。
初年度で10万円程度の学校から、80万円ほどの学費がかかる学校もあります。そのなかでも週4日以上登校するコースや学校だと70万円、80万円といった金額になることが多いです。
全日制高校
全日制高校 | |
入学金 | 25万円 |
授業料 | 46万円 |
施設設備費等 | 年間4万円 |
年間学費 | 70~190万円 |
全日制高校の平均は授業料約46万円、入学金25万円、施設費4万円、その他17万円で初年度の学費は約94万円程度になります。
その他には修学旅行金などが含まれます。
学費の範囲だと低い学費の学校で70万円前後から高い学校で190万円近くかかる学校があります。190万近くかかると大学並みの学費になってきますね。
学費を助ける就学支援金制度について
たしかに、通信制高校と聞くと、全日制よりは安いイメージがあるので、数十万円かかると聞くと、ちょっと通わせるのをためらってしまうかもしれません。
しかし、ご安心ください。現在国には、“就学支援金制度”と呼ばれる、支援制度があります。
就学支援金とは経済的環境の違いで教育の機会が不平等にならないように就学支援金が支給される制度です。
公立・私立を問わず、高等学校・高等専門学校・専修学校(高等課程)などに通う生徒で、世帯年収が約910万円を下回る家庭の生徒が利用できます。全国のおよそ8割の生徒が対象になっているので、多くの人が対象になります。
ただこの支援金は生徒や保護者が直接受け取れるわけではないので、注意してください。
就学支援金は学校に支給されます。学校側が、その就学支援金を、各家庭の授業料に充てるのです。
支給額は授業料を限度として支給されます。通信制高校は単位制なので履修単位数に応じた支給になります。
支給額については以下の通りです。
国立高等学校、国立中等教育学校の後期課程 | 月額9,600円 |
公立高等学校(定時制)、公立中等教育学校の後期課程(定時制) | 月額2,700円 |
公立高等学校(通信制)、公立中等教育学校の後期課程(通信制) | 月額520円 |
国立・公立特別支援学校の高等部 | 月額400円 |
上記以外の支給対象高等学校等 | 月額9,900円 |
また、就学支援金は2020年4月に改正されていて、私立高校の支援金について変更されています。
今までは支援金の最高額は年間30万円で、学費が年間30万円をこえてしまっても保護者が負担しなければなりませんでしたが、世帯年収が約590万円未満の場合は、授業料の実質的な負担額がゼロになり、私立高校の授業料が実質無料で通うことができます。
私立高校に行きたいけれど学費が払えなくてあきらめていた方には、大変ありがたい制度です。
どうやったら支援を受けられるの?と思いますよね。
就学支援金の申し込みは学校の案内によって申し込みを行えば支援を受けることができます。申し込み表の配布の時に詳しい説明もなされるので、あなたが支援金制度の対象になるかわからないときは学校に聞いてみましょう。
もちろん就学支援金制度は、通信制高校も対象です。つまり、学費のかかる通信制高校であっても、支援を受けることができますので、ご安心ください。
学校の学費をとき調べる時の注意
学費は各学校のHPに詳しい情報が載っていることが多いです、ないなら資料請求をするか、直接学校説明会に参加しましょう。
ただ注意してほしいのは教材費や制服代といったものは学費には含まれていないことが多く、正確な学費を入学前から把握しておくことは非常に難しいです。
なので思ったよりも学費がかかることを意識しておいてください。はっきりと書かれていない学校に必要なものが家計を圧迫してしまうこともあります。
実際にtwitterではこんな声があります。
修学旅行代が54000円と聞いて青ざめた。別に特別高くはないんだろうけど家計に余裕が無ければ大打撃。さらにお小遣いの上限1万円…そんなのみんな1万円持っていきたいだろう。
その後は受験のために塾通い。高校に合格したらまた制服代。交通費。子育ては本当にお金がかかる。— かずー (@shiawasesaku3) February 28, 2019
昨日の高校の諸経費考えてたけど、やはり私立公立の差はそこまで(印象ほど)大差なくて、入る部活による費用の差がものすごいかな。とにかく「遠征費が半端ない」。夏と冬の休みは慎ましい家計から万単位の合宿費遠征費が飛んで行く。これは公立でも強豪は気候のいいところで合宿するんで数万覚悟
— まきりえこ@漫画「実家が放して〜」連載中 (@toriatamaxp) January 16, 2019
https://twitter.com/tamayu0n1000/status/1234618858486370304
子どもが小さいうちは何とかなるだろうけど、入学費用や教材費など、高校になれば授業料が無料とはいえ、それ以上の経費がかかる。実際にはかなり難しいと思う。
FPうなる完璧家計「家族4人で出費は月10万」 世帯年収250万でも「月10万」の貯蓄 #POL https://t.co/VoP6sP6cWp
— men (@koike_rahmen) December 17, 2019
まとめ
今回は、通信制高校と全日制高校の公立・私立ごとの学費について、解説していきました。
1年間の学費 | ||
通信制高校 | 公立 | 4~6万円 |
私立 | 10~80万円 | |
全日制高校 | 公立 | 約45万円 |
私立 | 70~190万円 |
学費は学校を選ぶ際の一つの基準になりますが、安いだけで学校を決めないようにしましょう。多くの学校では学費が高いのにはそれなりの理由があります。学費がどこに使われているのかを把握して、お子さんのメリットになるなら、私立高校を選ぶのも、一つの方法です。
また、通信制高校では基本的に登校回数が少ないのでアルバイトをして家計を助けることができます。お子さんにとって何が大事なのか判断して選びましょう。