せっかく受験して中高一貫校に入学したのに子供が登校を拒否...
中学受験にあたっては親御さんも相当な労力をかけて乗り切って来られたと思います。
親子共々努力して入った学校なのにお子様が不登校になってしまい、非常に辛い思いをされているのではないでしょうか。
実は中高一貫校に通うお子様が不登校になってしまうケースは少なくありません。
ツイッターでは中高一貫校に入学するも、不登校になってしまった実際の生徒さんの声が多数投稿されています。
https://twitter.com/f_myk08/status/1201847728491249664?s=20
https://twitter.com/halheal_/status/1036409351236247552?s=20
せっかく入学した学校なのになぜ、と原因が分からず混乱する親御さんのお気持ちもわかります。
ですが、お子様にも学校に行けなくなってしまったのには理由があります。
今回は、中高一貫校に入学したお子様が不登校になってしまう原因と解決策を徹底的に解説します。
目次
中高一貫校に入学した子供が不登校になってしまう原因は?
実は中高一貫校に通うお子様の不登校には中高一貫校特有の原因があります。
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説していきます。
入学後の学校のレベルの高さ
一つ目の原因として、入学後の学校のレベルの高さが挙げられます。
中高一貫校に入学後、同じ試験を突破してきた同じような学力レベルの生徒と一緒に勉強することになります。
小学校時代は様々な学力の生徒がいたわけですから、学習塾に通い、真面目に中学受験対策を行っていたお子様は小学校では成績も優秀だったかもしれません。
しかし、同じ学力レベルの生徒が集まり、その集団でテストが行われた場合、お子様の成績は相対的に下がることもあります。
例えば、小学校時代はクラスでも上位の成績を修めていたお子様も、中高一貫校では中の中、中の下といった成績になってしまうということです。
これはごく自然なことです。
しかし、頭ではわかっていても、お子様にとっては実際に自分の学力がどのようなものか突きつけられたようで自信をなくし、精神的にダメージを受けます。
さらに、今までは成績がよかったのにこれでは親に怒られてしまうという不安を抱き、プレッシャーに感じてしまうお子様も少なくないでしょう。
早すぎる・難しすぎる授業に付いていけない
中高一貫校の勉強は基本的に先取り学習です。
学校によっては、中学でも高校の範囲を勉強する学校もあり、そうするためにはかなり早い授業スピードで学習していく必要があります。
学習レベルも高く、その上授業スピードまで高いと、授業に付いていけなくなったお子様は分からないところが増え続け、予習復習もできないといった状況になります。
早いスピードの授業に付いていくためには予習復習は必須なので、それができないとやはり授業に付いていくことも厳しいでしょう。
授業に付いていけないと、当然成績も落ち、上記のように自信をなくし、精神的にダメージを受けます。
体力的にハード
家から徒歩で通うことができる公立とは違い、中高一貫校は学校へ通うのに電車を利用するお子様が多いのではないでしょうか。
今までは歩いて小学校に通学していたのが、中学校に上がった途端、満員電車を乗り継いで学校に通うというケースも少なくありません。
お子様によっては、片道2時間近くかけて通学している場合もあり、そのような場合は満員電車に長時間耐えなければいけないほか、当然のことながら朝早くに起きる必要があります。
ほんの少し前までは小学生だった子供が毎日朝早くに起き、サラリーマンと一緒に満員電車に揺られ学校に通い、スピードが早く難易度も難しい授業を夕方まで受けるのです。
さらに、中高一貫校の場合、部活に入っているお子様も多いと思います。
そうなると、部活にも体力を使い、帰りも満員電車で帰宅したあとに、次の日の授業の予習や今日やった授業の復習を行う余裕はないかもしれません。
予習復習ができないと、スピードの早い授業に付いていけなくなるといった悪循環が起こります。
人間関係による不安
地元の公立中学校に進学すると、ある程度小学校の時の友達が一緒で安心できるかもしれません。
しかし、中高一貫校に進学する場合は、中学校に入学して一から新しい人間関係を築いていかなければいけません。
新たな人間関係を築いていかなければいけないプレッシャーやこれが中高合わせて最長で6年間続くことによる不安を抱いているお子様もたくさんいます。
もし、いじめやトラブルなどに遭っているお子様の場合、その相手と学校へ行く度に顔を合わせるかもしれない不安や、最長で6年間も付き合っていかなければいけない精神的なしんどさがあるでしょう。
また、中高一貫校の部活は6年間同じ部活に入り続けるケースが多いのも事実です。
部活で嫌な思いをしたり、辞めづらい雰囲気の部活に所属していると、部活の人間関係が原因で学校に行きたくないというお子様も少なくありません。
周囲からのプレッシャー
せっかく中高一貫校に入ったんだから、と周りから大きな期待を寄せられ、お子様がプレッシャーに感じてしまい、無理をしすぎてついには学校へ行けなくなるというケースも考えられます。
お子様に対して直接言葉を投げかけていたかに関わらず、実際のところは親御さんもお子様に大きな期待を寄せていたことでしょう。
高い倍率を突破して中学受験を勝ち抜いてきたお子様を誇りに思い、これからの成長に期待をすることは当然のことです。
しかし、お子様はその期待を背負い、プレッシャーに負けないよう頑張り続けていると、力尽きてしまうというケースもあります。
「自分は周囲の期待を背負っているんだ」「期待してくれている家族の期待を裏切れない」という自覚があるお子様こそ、そのプレッシャーが精神的に苦痛になり、どうしても学校では無理をしてしまうようです。
どうやって解決すればいいの?
中高一貫校に入学したお子様が不登校になった場合、どのような解決策があるのか解説していきます。
個別塾や家庭教師を利用する
授業のスピードが早く、難易度が高いと感じており、予習復習が追いつかなくて学校というより学校の授業に出るのがしんどいというお子様は、個別塾や家庭教師の利用をオススメします。
高い倍率の入試を突破し、中高一貫校に入学したお子様は、相応の努力をしてきたので、勉強に対するプライドを高く持っているお子様も多いです。
なので、成績が落ち込み、学校の授業が苦痛と感じているお子様は、成績が上がれば元気になり、不登校も改善されるというケースがあります。
実際に、「〇〇大学に行きたい」「医学部に入って医者になりたい」といった夢があるお子様は、成績が上がれば「行けるかもしれない」という希望を持ち、自分の夢に向かって努力し始めることがあります。
そのためには、落ち込んでいる今の成績を上げ、授業に出席することに対して抵抗をなくすために、個別塾や家庭教師といった個別指導を受け、勉強面での不安を解消させる必要があります。
また、個別塾や家庭教師は、普段の授業の予習復習を手伝ってくれるほか、定期テスト対策もしっかり行ってくれることが特徴です。
定期テストでの成績を上げるために普段の勉強を補強するといった学習スタイルなので、現在学校の授業や勉強面に関して悩みを抱えているお子様はぜひ個別塾や家庭教師を検討してみることをオススメします。
地元の公立へ転校する
現在お住まいの家から学校までの距離が遠く、それが不登校の原因となっている場合は地元の公立中学への転校や、高校からは地元の公立高校の受験を検討してみるのも良いでしょう。
実際に、中学1年で不登校になり、3年間学校に行かず、地元の公立高校に入学し、大学、大学院を卒業して就職したというお子様もいます。
特に中学生で、成績のストレスではなく、学校での人間関係に悩んでいるお子様も地元の公立に転校するのはオススメです。
クラスでの人間関係がうまくいかず、悩んでいるお子様の不登校を解決するには少し時間がかかるかもしれません。
そして、あまりにも欠席日数が積み重なると、私立の場合は退学となってしまいます。
しかし、公立中学校は義務教育のため、退学になることはなく、卒業することができます。
なので、退学を避けるためにも地元の公立中学校に転校することを検討してみると良いかもしれません。
もちろん、私立には私立の良さがありますから、どうしても私立に通わせたいという思いが親御さんにあるのであれば、私立高校を高校受験のタイミングで検討することをオススメします。
実際に、中学2年生で不登校になり、親御さんと話し合いを重ねた結果、中学校は今の学校を卒業し、高校からは別の私立高校を受験すると決めたところ、3年生からは人が変わったように学校に登校するようになったそうです。
部活を辞める
部活でしんどい思いをしているお子様はたくさんいるのではないでしょうか。
中高一貫校の部活は6年間ずっと続けることが多いので、どうしても辞め時が分からず、でも勉強面や体力面では限界に近づいている...というケースがあります。
お子様はこのような状態になっていませんか?
もし部活で悩みを抱えており、それが不登校の原因となっているのであれば、辞める勇気を持つことの大事さも伝えてあげましょう。
心身ともに健康であってこそ、部活動は楽しく頑張れるものです。
それなのに心身ともに不調で、ましてや部活が原因で本分である授業や学校行事に支障をきたしては本末転倒です。
健康を犠牲にしてまで頑張らなければいけないものはありません。
それをしっかりお子様に伝え、「辞めても良いんだよ」という言葉をかけてあげてください。
親子の信頼関係を築く
お子様は、悩みを抱えて学校に行くことができなくなっています。
それを解決するにはその悩みを相談できる相手が必要です。
その相手は、もちろん親御さんです。
親御さんが、お子様の一番の理解者となってあげましょう。
たしかに、思春期真っ只中のお子様の中には、ほとんど家族と口を聞かない、顔を合わさないというお子様もいます。
そういう場合、初めから話し合いの場を無理やりつくろうとする必要はありません。
まずは、お子様とのコミュニケーションを取るところから初めてはいかがでしょうか。
ちょっとした質問を投げかけるだけでも良いですし、外に一緒にお出かけするのも良いかもしれません。
小さな積み重ねによって、お子様とコミュニケーションが取れるようになると、お子様は悩みを打ち明けてくれるかもしれません。
コミュニケーションを通じて親子の信頼関係を築けるようになると、お子様も自分の味方ができ安心しますし、精神的に楽になります。
もし、お子様が悩みを打ち明けてくれるようになれば、その時はぜひお子様の悩みに共感してあげましょう。
親御さんも、自分が中学生の時も同じような悩みを抱えていたことを伝え、悩みを共感してあげることで、お子様も「自分だけじゃないんだ」「悩むことは普通のことなんだ」と安心することができます。
その際、お子様が今後どうしたいかを打ち明けてくれた時には、お子様の意思を尊重してあげましょう。
お子様も悩みに悩んで出した結論です。
お子様からの意思表示をしっかり受け止め、気持ちを最優先してあげてください。
とはいっても、自分がどうするべきなのか、どうしたいのか分からないお子様もたくさんいますので、その場合はいくつかの選択肢を提示し、提案してあげましょう。
通信制高校を検討する
現在中学3年生のお子様や、高校生のお子様がいらっしゃる方で、お子様が学校に復帰する気配がない場合は通信制高校を検討してみるのも良いでしょう。
通信制高校は、不登校を経験したことのある生徒がたくさんいるので、精神面や学習面でのサポートがしっかりしています。
勉強についていけなくなった中高一貫校出身の生徒も積極的に受け入れ、前の学校ではついていけていなかった範囲を個別もしくは少人数で丁寧に指導してもらえます。
中高一貫校に通わせていましたが、中1の冬から不登校になりました。
そのまま全日制の高校に進みましたが、やはり行けず、高2の今春に通信制の高校に転校予定です。
通信制と言いながら、全日通学、通学+通信と選択できるのが、ムスコには合ったようです。— 石田まなみ (@manami51016) February 26, 2020
東京都在住。中学受験を経て私立中高一貫の難関男子校に進学。高校から公立の通信制高校に転入したが、高校1年次の2016年12月、N高に転校し1期生に。1浪の後、20年に東京大に合格した。
N高卒初の東大生に聞く 私立難関校から転校した理由と、合格の秘訣
— DADA21C (@DADA21C) April 15, 2020
さらに、通信制高校の中には、不登校の改善に力を入れている学校もあります。
例えば、関東圏を中心にキャンパスを構えるわせがく高等学校は、不登校改善率が89.2%という高水準の実績があります。
このように不登校の改善に力を入れている通信制高校は精神面でも学習面でもきめ細やかなサポートをしている学校が多いので、通信制高校をご検討の方は調べる際の参考にしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、中高一貫校に入学したお子様が不登校の場合に考えられる原因とその解決策を解説しました。
中高一貫校における不登校の原因
・学校のレベルや授業の難易度が高すぎる
・授業のスピードが早すぎる
・通学や部活、勉強などにより体力的にハード
・人間関係による不安
・周囲からのプレッシャー
中高一貫校における不登校の解決策
・個別塾や家庭教師の利用
・地元の公立への転校
・部活を辞める
・親子の信頼関係を築く
・通信制高校を検討する
不登校になってしまったとしても、何かしらの解決策は必ずあります。お子様にとって最良の選択を考えてみてください。