子どもが不登校でゲームにハマり込んでしまった場合、とても不安になりますよね。
親心としてはゲームをやめさせたほうがいいのかどうか、分からないと思います。
そのため、
「不登校とゲームの関連性を知りたい」
「不登校でゲームに依存しているので、なんとかしたい・・・」
という悩みを持ってしまっているかもしれません。
そこで、この記事では、
・不登校とゲームの関連性について
・無理にゲームを引き離すと、どんな症状が出るのか
・どうすればゲーム依存から抜け出せるのか
ということについて、解説していきます。
目次
不登校になる事とゲームって関係ある?
まずは、不登校とゲームの関連性について考えていきましょう。
不登校の子どもがゲームに依存してしまう時、以下のような理由が挙げられます。
チェック
・不登校で不安定な気持ちを安定させるため
・不登校の罪悪感から逃れるため
・ゲーム内に自分の居場所があるため
一つずつ、みていきましょう。
不登校で不安定な気持ちを安定させるため
不登校になると、学校生活のように大勢の中で自分を保つということができなくなります。
本来、人間は社会的な生き物なので、社会の中で自分というものを作ります。
学校生活で様々な先生やクラスメイトと関わる中で、自分の立ち振る舞いを決めるのです。
しかし、不登校になってしまうと、関わる人が家族以外にほとんどいなくなってしまいます。
すると、不登校の子どもは自分という存在を見失うため、精神的に不安定な状態になります。
そんな時に、ゲームにのめり込んで激しい快感を得ることにより、自分自身の精神を保とうとするのです。
大人でも仕事や家事の忙しさに追われた時、ふと暴飲暴食やお酒の飲み過ぎといった行動に出てしまうことがあります。
その精神状況に近い状態になっているといえます。
不登校の罪悪感から逃れるため
不登校になると、本来はしなければいけないことから逃げているという罪悪感が働きます。
「他の子どもは当たり前のようにできているのに・・・」
「自分だけが、道から外れたことをしている・・・」
というような気持ちが湧いてきてしまい、不登校の子どもは苦しんでいるのです。
また、自分自身もどうやって不登校から脱出することができるのか分からず、不安になっています。
そのため、その気持ちのはけ口として、ゲームに矛先を向けているわけです。
ゲーム内に自分の居場所があるため
ゲーム内では、現実と違って都合の良い人間関係だけを築き上げれば良いということも挙げられます。
現実の人間関係のように、苦手な人や嫌いな人と無理に付き合う必要はありません。
さらに、同じゲームという共通の好きな話題で繋がっているため、自然と話が合いやすいのです。
それだけでなく、ゲーム内での仲間意識が芽生えたり、プレイの自己有能感を味わいやすかったりするために、だんだんとゲームにハマり込んでいってしまうのです。
不登校の場合、人間関係を現実に作ることができなかったぶん、仮想世界で自分の気の合う存在だけと付き合うという手段を選ぶようになります。
ゲームを無理に引き離すと、どんな症状が出るのか
続いて、無理に不登校の子どもからゲームを引き離してしまうと、どうなってしまうのか? ということを考えていきましょう。
最悪の場合には、以下のようなことまで考えられます。
チェック
・自ら命を絶ってしまう
・他の対象に依存する
・暴力や暴言を起こす
ひとつずつ、みていきましょう。
自ら命を絶ってしまう
不登校の子どもによっては、ゲームから快感を得ようとしているだけではない場合があります。
不登校になったことにひどく落ち込んでしまっていて、沈んだ気持ちを治そうと自己治療しているという可能性もあります。
その場合には、ゲームをするということが、子どもが精神的に回復するために働いているのです。
この時、無理にゲームを子どもから引き離してしまっては、精神的に子どもを追い詰めてしまう原因となってしまいます。
逃げ場所を失ってしまった子どもからすると、精神的に参ってしまって最悪の場合には自ら命を絶つ・・・というケースもあります。
他の対象に依存する
そもそもゲームに依存しているというのは結果であり、原因は別のところにあります。
不登校になってしまったことにより、ゲームに依存しているということは、原因は不登校になってしまったことにあるわけです。
そのため、いくらゲームを引き離してしまっても、根本的な解決には至らないわけです。
むしろ早まってゲームを引き離してしまって、他の対象に依存することもあります。
子どもによって他の依存先は様々ですが、未成年の喫煙に手を出したり、最悪の場合には薬物に手を出したりする場合もあります。
ゲームに依存しているという結果ばかりに目を向けるのではなく、なぜゲームに依存しているのか? という原因に目を向けていく必要があります。
暴力や暴言を起こす
無理やりゲームを引き離してしまうことで、子どもは自分のストレスの発散口を無くしてしまうことになります。
すると、家庭内でストレスを発散するために、親に対して暴力を起こしたり、暴言を吐いたりするようになります。
親としては子どもが反発することには余計に感情的になりやすいものです。
そのため、親子で言い合いになってしまって、親子の信頼関係が崩れ去ってしまう可能性もあります。
親子の信頼関係が崩れてしまえば、不登校から復帰することも難しくなってしまいます。
親子のコミュニケーションが取れなければ、不登校への適切な対応を取ることができなくなるからです。
無理にゲームを引き離すということが逆効果になることがあるので、注意が必要です。
どうすればゲーム依存から抜け出せるのか
最後に、どうすれば不登校の子どもがゲーム依存から抜け出せるのか考えていきましょう。
ここまでの通り、不登校とゲームには充分な関連性があります。
気をつけるべきことは、ゲームに依存することで不登校になってしまうのではなく、不登校になった原因や影響からゲームに依存してしまう・・・ということです。
学校の人間関係がうまくいっていなかったり、勉強がうまくいっていなかったりすることを改善する必要があります。
そのため、ゲームだけを遠ざけても、不登校を解消するための根本的な解決策とはなりません。
不登校になってしまった原因を上手に取り去りながら、ゲームとの付き合い方を変えていかなければならないということです。
そこで、ここでは大きく分けて、
チェック
・自己ルールを作る
・専門家に相談してみる
・他者規制をする
ということについて、みていきましょう。
自己ルールを作る
ゲームをやること自体をやめさせるのではなく、ゲームをして良い時間などの条件を決めましょう。
例えば、ゲームは1日に2時間までと決めて、その時間内で子どもに守ってもらうのです。
このとき、親が勝手に決めるのではなく、子どもと話し合って決めるということが大切です。
子どもが「これなら守れる」と思えなければ叶いませんし、自分から「ルールを守ろう」という決心もつくものです。
また、不登校から抜け出すためにも、併せて勉強や学校も行くように勧めることも大切です。
「ゲームをやってもいいけれど、学校に行ったら2、3時間プレイしても良いよ」という具合です。
その際は親子のコミュニケーションもしっかりと取りましょう。
具体的には、
「ゲームのどんなところが楽しいの?」
と聞いてみるのが良いでしょう。また、一緒にプレイしてあげるのも喜ばれます。
子どもはただ楽しくてゲームをやっているだけではありません。
不登校で心の悩みを抱えていて、そのはけ口としてゲームをやっているだけだと捉えましょう。
そのため、しっかりと話を聞いてあげることで、ゲーム依存や不登校を解消できる可能性があるのです。
専門家に相談してみる
ゲーム依存を解消できる専門家に相談してみることも効果的です。
なぜなら、ゲーム依存だけでなく、コミュニケーション不全や生活リズムの改善までサポートしてくれる可能性があるからです。
そもそも、ゲームに依存しているという状態だけを解消しても、もう一度学校に通えるようになるとは限りません。
専門家に相談することで、
・昼夜逆転のリズムを改善する
・現実世界のほうがゲームの仮想世界より楽しい
というような不登校になってしまう原因を解消することが大切です。
具体的には、本人の能力に応じた学習やカウンセリングを行うことで、徐々に不登校の習慣から改善していくのです。
専門家は、心療内科や精神科の先生を尋ねてみると良いでしょう。
他者規制をする
子どもの自力ではゲーム依存が解消できなかった場合には、第三者も交えて矯正していく必要があります。
第三者には、担任の先生やカウンセラーに入ってもらいます。
まず、本人に対してゲーム依存であることを告げて、2週間ほど様子を見てみます。
それでも治すことができなければ、専門機関で合宿を行います。
この時、合宿を行う旨を書面として作り、本人・保護者・第三者でサインして様子をみることになります。
ゲーム依存はアルコール中毒や薬物中毒と同じで、非常に中毒性が高い症状の一つです。
そのため、なかなか自分の意志だけでは止めることができないのが現状です。
また、正しい方法でゲーム依存から抜け出さなければなりません。
なぜなら、暴力や犯罪に手を出してしまったり、再発してしまったりする可能性があるからです。
しっかりと専門機関の力を借りて、子どものゲームとの付き合い方を正していきましょう。
まとめ
ここまで述べてきたことをまとめていきます。
ポイント1
・なぜゲーム依存してしまうのか?
→不登校であるということへの罪悪感から逃れるため
→ゲーム内で仲間意識が生まれ、自己有能感を味わえるため
ポイント2
・無理に引き離すとどんな症状が出るのか?
→家庭内で暴力や暴言が起こり、親子のコミュニケーションが破綻する
→ゲームが救いの手になっている場合、最悪の場合には命を絶ってしまうこともある
ポイント3
・どうすればゲーム依存から抜け出せるのか?
→子どもと一緒に話し合って、ルールを作る
→専門家や専門機関に相談し、根本的な改善を図る
いかがでしたか?
あなたの大切な子どもの不登校やゲーム依存が治るように願っています。