お子さんの不登校、親としてはなんとかして学校に通ってもらいたいものですよね。
中には、自分が原因で子どもが不登校になってしまったんじゃないかと考えてしまう人もいるでしょう。
そこで、この記事では子どもの不登校の原因を明らかにします。
その上で、親はどうすれば良いのかという点についてお話させていただければと思います。
記事を通じて、一緒に考えていきましょう。
目次
不登校の原因は家庭環境?
子どもが不登校になってしまうのには原因があります。
文部科学省の調査によると、不登校の原因は以下のようになっています。(複数回答制のため、合計が100%とは限らない)
不登校の原因(小学生)
家庭に係る状況 55.5% いじめを除く友人関係をめぐる問題 21.7% 学業の不振 15.2% 教職員との関係をめぐる問題 4.5% 入学、転編入学、進級時の不適応 4.5% 学校の決まり等をめぐる問題 2.6% 進路に係る不安 1.1% いじめ 0,8% クラブ活動、部活動への不適応 0.2 上記に該当しない 13.7%
引用:文部科学省
不登校の原因(中学生)
家庭に係る状況 30.9% いじめを除く友人関係をめぐる問題 30.1% 学業の不振 24.0% 入学、転編入学、進級時の不適応 7.7% 進路に係る不安 5.3% 学校の決まり等をめぐる問題 3.4% クラブ活動、部活動への不適応 2.7% 教職員との関係をめぐる問題 2.5% いじめ 0.6% 上記に該当しない 13.4%
引用:文部科学省
不登校の原因が家庭環境にあると分かっても悲観する必要はない
たしかに、家庭環境が原因で不登校になることが多いのは事実ですが、それだけが全てではありません。
原因は上記の表のように他にも様々なものが考えられます。
また、複数の要因が合わさって不登校になっている場合もあるでしょう。
ですから、家庭環境が原因だと断定するのは早計です。
仮に、不登校の原因が家庭環境だと分かったとしても、あまりご自身を責め過ぎないでください。
同様に、ご自身の配偶者の方を責めることもしないでください。
ここで悲観的になったり、ケンカしたりすれば、それこそお子さんに悪い影響が出てしまうでしょう。
原因が分かったのであれば、親が何か行動を起こしたり、行動を変えたりすることで状況を改善できるかもしれません。
そこで、親ができることは何なのかについて考えていきましょう。
家庭環境の改善方法を3つ紹介
親も子も、日々の生活の中で何かしらのストレスと抱えていると思います。
ストレスがあると、ついつい攻撃的になりがちです。
それでは、適切なコミュニケーションを取ることが難しいでしょう。
そこで大事になるのが、親・子のストレスを減らすということです。
ストレスが減れば、穏やかなコミュニケーションを取ることができ、親も子も更にストレスが減ります。
ストレスが減ってくれば、物事を前向きに考えられるようになり、不登校改善にもつながるかもしれません。
では、具体的な家庭環境の改善方法を見ていきましょう。
誰かに相談する
仕事やプライベートで、親であるご自身も様々なストレスと抱えていると思います。
そこで、試してみて欲しいことがあります。
- 誰かに相談する
- 誰かと悩みを共有する
つまり、ご自身だけでお子さんの不登校に関する悩みを抱え込まないということです。
自分だけでどうにかしようとすると思い詰めてしまったりして、それだけでストレスになります。
ですから、誰かに相談、あるいは悩みを共有しましょう。
そういう方におすすめなのが、地方自治体が運営している教育支援の窓口に相談することです。
- 児童相談センター
- ひきこもり地域支援センター
- 発達障害情報支援センター
都道府県毎にこういった施設が用意されています。
問い合わせをすることで相談の予約ができたりするため、一度利用してみることをおすすめします。
相談機関の探し方は、Google検索で「東京都 児童相談センター」のように調べることで見つかるはずですから、参考にしてみてください。
子どもに命令しない
この記事を読んでくださっているあなたは、お子さんのことを考えて「なんとかしなきゃ」と思っているんじゃないかと思います。
それで、ついついこんなことを言ってしまうんじゃないでしょうか。
「学校に行きなさい」
「ご飯を食べなさい」
「勉強は大丈夫なの?」
親からすれば、悪意なんてなく、ただ純粋に子どものためを想って言っている言葉だと思います。
でも、「○○しなさい」、「○○は大丈夫なの?」といった言葉を聞いて、子どもは
「いちいち命令するな」
「言われなくてもわかっている」
「心配されると余計に不安になる」
そんな風に思っていることがあります。
子どもは親に命令されると反発したくなるものです。
たとえ、親が子のためを想って言ったことでも、子どもは言い聞かされている気分になり、素直に受け入れてくれなかったりします。
でも、言い方を変えることで、お子さんの受け取り方も変わるかもしれません。
そこで、以下のような言い方に変えてみましょう。
「いい加減にしなさい」 → 「どうしてこういうことをするの?」
「ご飯食べなさい」 → 「ご飯できたよ」
「勉強は大丈夫なの?」 → そもそも聞かない方が良い
命令口調にならないようにし、必要以上に心配しない→子どもを信じてあげることが大事になります。
子どもの話をしっかり聞いてあげる
お子さんの話をしっかりと聞いてあげることも大切です。
お子さんが何か話そうとしている場合には、言いたいことを全部言わせてあげましょう。
話を聞いた後も、お子さんの話を否定したりせず、まずは「そうだよね」などと受け入れてあげましょう。
もし、お子さんの言っていることが「間違っている」「理解できない」と感じた場合でも、真っ向から否定してはいけません。
まずは「そう思うんだね」と受け止める。
その上で、「どうしてそう思うのかな?」と子どもの考えを聞いてあげることが大事です。
そうすれば、お子さんの考えが理解でき、ご自身も納得できるかもしれません。
お子さんはあなたの子どもですが、あなたと同じ価値観・考え方ではないかもしれません。
ですから、理解しようとしてあげることが大事です。
また、お子さんの話を聞くことで、親であるご自身の発言や行動に非があったとわかることもあるでしょう。
そんな時は「ごめんね」と素直に認めて謝ってあげましょう。
悪いことをされたら、誰だってむかつきますし、納得できませんよね。
子どもだって同じです。
過ちは認め、次へ活かすことが大事となります。
不登校改善の声
実際に、不登校を改善した人の声を見てみましょう。
長女が大学に入学した時はもう大丈夫、不登校を克服したと思った。
最初は順調だった。
大学は楽しいと喜んでいた。
だが現実はそんなに甘くなかった。
後期の試験前くらいから、学校へ行かなくなった。
半年の休学を経て退学。
再び引き篭り生活が始まった。
理由は聞かず、優しく見守ることにした。— 黒砂糖@不器用な家族 (@kurozatou0620) November 5, 2019
こちらの方のお子さんは、この話の後、無事に就職できたとのことでした。
見守ることの強さを教えてくれる、そんなお話です。
親も最初は学校に行けサボんなとブチ切れてたんだけど私が薬飲んで飛び降りてからそこまで学校が苦しいとは思ってなかったごめんねと和解し無事不登校になれたしフリースクールで今も続く友達出来たし良いと思います
— 10月6日さくやM字開脚漏らし記念日 (@yumenoprint) May 31, 2020
追い詰められた子どもは、時として取り返しのつかなくなる行動に走ることもあります。
親の言葉は子どもにとってそれだけ影響力があります。
この方の場合は親と和解できたから良かったですが、和解できていなかったら、どうなっていたかわかりません。
謝るべき時にはしっかり謝りましょう。
寮のある学校への転校という選択肢もあります
この記事を読んでくださっている方の中には、パートナーからのDVに遭われている方もいるかもしれません。
そのような方からすれば、「家庭の環境を改善しろ」と言われても、難しい話だと思います。
でも、お子さんの不登校を改善するための方法は、他にもあります。
それは、お子さんを寮のある学校へ転校させる方法です。
いきなり転校と言われても、現実味がありませんよね。
それに、どんな学校があるのか、学費はどうなのか、そもそも転校できるのかといった心配もあるでしょう。
そこで、不登校の人でも通える、寮のある学校を紹介しておきたいと思います。
紹介するのは全て通信制高校になります。
こちらは不登校の生徒でも入学しやすい&通いやすい学校です。
家庭内だけではどうしようもない時、助けになってくれるかもしれません。
鹿島学園高等学校
基本情報
所在地 | 茨城県鹿嶋市田野辺141番地9 |
学費(年額) | 約145,700 円 |
寮費(月額) | 非公開 |
栄養士の作る料理を食べることができ、量の担当職員による生活指導もあることから、健康的で規則正しい生活を送ることができるでしょう。
学校から徒歩3分の場所にある学生寮と校舎に直結している学生寮の2つがあり、アクセル面も安心です。
中央高等学院
基本情報
所在地 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-21-8(吉祥寺本校) |
学費(年額) | 約296,000円 |
寮費(月額) | 約85,400円 |
こちらも栄養士の作る料理を食べることができ、管理人が常駐するシステムがあり、安心感のある学生寮となっています。
自習室や休憩室が用意されているなど、施設が充実している点も魅力です。
N高等学校
基本情報
所在地 | 東京都渋谷区代々木2-22-89 代々木かえつビル1階(代々木キャンパス) |
学費(年額) | 約250,000円 |
寮費(月額) | 約67,200円~ |
毎日食事が出る点や管理人が常駐する点は、他の学生寮と同じです。
ネット学習の環境が充実しており、オンライン中心の学習が可能な点が特徴です。
また、学生寮としては珍しく、一人部屋が用意されており、プライバシーを守りやすい点も魅力です。
まとめ
本記事で紹介した家庭環境の改善方法をまとめておきます。
家庭環境の改善方法
- 誰かに相談する
- 公的機関である児童センターなどに相談する
- 子どもに命令しない
- 命令口調は避け、心配しすぎないようにする
- 子どもの話をしっかり聞いてあげる
- まずは受け入れて、理解しようとしてあげる
- 自分の非はしっかり認めて謝る
直ぐに結果が出ることはないかもしれません。
でも、日々地道にコツコツ、意識して取り組んでみてください。
そうすれば、少しずつ状況が良くなっていくはずです。
誰かに相談したりしつつ、焦らずゆっくり、子どもに寄り添ってあげてくださいね。