NHK学園高等学校は、日本初の広域通信制高校です。つまりは、通信制高校のパイオニア的存在ですね。
そんな歴史あるNHK学園高等学校の、
「評判ってどうなのかな?」
「学費は一体いくらだろう?」
「勉強苦手だけど入試はあるのかな?」
といった疑問がある方に向けて、ここの記事では
- 評判や口コミはどんな感じ?
- 学費は高い?安い?
- 入試の内容は?難しい?
といったことに焦点を当ててズバリ!解説していきます。
目次
NHK学園高等学校の評判や口コミはどんな感じ?
“NHK”がやっている学校だから何となく信頼できそうなイメージですよね。実際の卒業生や在学生の声を見てみましょう。
ここではわかりやすく、
- 良い評判
- 悪い評判
に分けて解説していきます。
良い評判
- 様々な年代の人がいるのが新鮮。楽しい。
- 自宅学習中心の生活は時間に余裕があるため、好きなことができる。
- 同じ社会人として頑張っている仲間がいるので通いやすい。
- 中学時代不登校だったが、今は問題なく通うことができた。
評判や口コミで一番目立っていたのは“色々な人がいる”ということです。
年齢でみても15歳から80代の方まで幅広い年齢の方が在籍しているようです。15歳~18歳の高校生世代が一番多いかとは思いますが、社会人の方や主婦の方などいろんな方と接する機会があるのは今後の人生において貴重な体験になりそうです。
在学生の年代の割合は、10代8割、20代1割、残り1割が30~80代です。
他の通信制高校よりも世代が広いのではないかと思います。社会人の方にとっては、やはり同じ社会人として頑張っている仲間がいるのは心強いですよね。どのような世代にしても前向きに学びに来ている方が多いので、良い刺激を受けられるのではないでしょうか。
通信制の特色でもありますが、自学自習が基本です。勉強と日常生活の自己管理をしっかりと行うことができれば好きなことができる時間がたくさんあります。それを活かして仕事やアルバイト、ボランティア活動や趣味に時間を使うことができるのは最大のメリットです。
また、NHK学園高等学校では、不登校やひきこもりになってしまった方を積極的に受け入れる体制が整っています。スクーリングが苦手な方でも卒業できるように他の通信制高校と比べ投稿日数が約半分のコースもあります。50年以上の歴史がある学校だからこそのノウハウが詰まったコース展開やカリキュラムが魅力ですので、どんな事情がある方であれ、きっとあなたらしく通うことができるでしょう。
悪い評判
幅広い世代の方がいるため「これが高校生活?」というほど地味な高校生活。
いじめはないが、友達ができない。
放任主義的な部分がある。
悪い評判に関しては、“良い評判の裏返し”であることが多かったです。
幅広い世代の方がいることは「新鮮。楽しい。」といった良い評判もありましたが、“高校生らしい学校”を求めている方にはイメージとのギャップに戸惑ってしまうかもしれませんね。
また、登校日数が少ないというメリットの裏側に、友達ができないといった評判がありました。いじめが起きないのは良いことですが、世代はバラバラで、顔を合わせる機会が少ないとどうしてもお互いの関係性はドライになりがちです。
人との関わりや高校生らしい生活を望む場合は、登校日数の多いコースを選択しましょう。東京のみとなってしまいますが、週3登校の「登校コース」というものもありますよ。
放任主義的という評判見もありました。これは、スクーリングの回数が足りない場合や、レポートを郵送したのに何かしらの手違いでレポートが未提出になっていた場合でも、学校から連絡がない。といったことのようです。ここに関しては学校側に任せるだけではなく、自己管理が重要です。自分が今何単位取れているのか、スクールの回数は足りているのか随時確認していくことが大切です。
NHK学園高等学校は悩み相談に力を入れている学校です。通学する学習センターや高校が近くになくても電話で気軽に相談を受けてくれます。また、スクールカウンセラーを始め、特別支援学校教諭免許保持者やスクールソーシャルワーカーがいらっしゃいますから、心配なことや不安なことは相談しながら進めていけるといいですね。
NHK学園高等学校の学費は高い?安い?
学費は誰もが気にするところだと思います。私なら1番気にします(笑)
ネット上では「高め」と言っていたり、「安い」と言っていたりバラバラでした。お金の感覚は人それぞれなので、実際の内訳を見ていきましょう。
NHK学園高等学校ではコースによってが学費が異なります。ここでは「ネット学習コース」の学費を見ていきます。参考にしてください。
学納金 | 1年次
(24単位履修) |
2年次
(25単位履修) |
3年次
(24単位履修) |
入学金 |
35,000円 |
なし | なし |
受講料(1単位12,000円) | 288,000円 | 312,000円 | 288,000円 |
施設設備充実費 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
教育運営費 | 20,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
生徒会費 | 2,000円 | 2,000円 | 2,000円 |
合計 | 355,000円 | 344,000円 | 320,000円 |
※上記のほか、教材費が1科目あたり2,000円程度(実費)必要になります
登校日数が多い「登校コース」の学費が一番高く、手書きのレポートが基本の「ベーシックコース」が一番学費が安いです。
学費を安くする方法ある?
これを見ると3年間で約102万円ですね。「高い!」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご安心ください。「高等学校等就学支援金」や各種奨学金制度があります。
高等学校等就学支援金制度ですが、2020年度より私立高校の実質無料化が始まります。
就学支援金の対象になる要件は、
- 高等学校や高等専門学校などに在学していること
- 日本国内に住所があること
- 世帯年収が910万円以下であること
以上3点です。各家庭により支援レベルが違いますので、文部科学省ホームページなどで必ずご確認ください。
また、NHK学園高等学校は、返還の義務がない各種奨学金制度が充実しています。
- 学習サポート給付金
- 教材費無償化
- 推薦入学者の入学金免除
- 緊急支援見舞金給付
※これらの給付には条件がありますので、必ず問い合わせ等で確認してください。
2020年度より学納金が分割納入できるようになりましたし、各種教育ローンも使用できますので、実質的な負担はかなり軽減できるかと思います。
NHK学園高等学校の入試の内容は?難しい?
NHK学園高等学校に入学したい!と思っても、「自分の学力で入れるのか?」と心配になりますよね。
その心配はありません!なぜなら、入試は無いからです。試験がのは無いのは勉強に自信がない人でも前向きに検討しやすいですよね。
そのかわり、書類審査と面接考査があります。「誰でも受けることができるのかな。」「書類って何書くの?」「面接苦手だな」と思う方も多いかと思いますので、
- 受験対象者は?
- 書類審査ってどんなこと書くの?
- 面接ではどのようなことが聞かれるの?
といったことについて解説します。
受験対象者は?
NHK学園高等学校は、北海道から沖縄までスクーリング会場が40か所あります。また、「ネット学習海外コース」がありますので、海外からの受講も可能です。
例えば北海道のように広い地域では特に「近くにスクーリング会場がない」という方もいるかと思いますが、そういった場合は、集中的な登校ができる「ネット学習コース」などで対応できるでしょう。
カリキュラムは「NHK高校講座」を視聴し、パソコン等に対応した教育システムで勉強を進めていきます。オンラインを中心とした自宅学習+レポート提出による単位取得ですので、このような方法で頑張れそうという方は誰でも入学対象であると言えるでしょう。
書類審査ってどんなこと書くの?
受験時に提出する書類などは、“新入学”、“転入学”、“編入学”によって異なります。そのいずれにも共通していて、なおかつ一番大切なものは「入学願書」です。
この入学願書の内容ですが、
- 氏名や住所などの基本情報
- 希望するコース、スクーリング会場
- 「NHK高校講座」を視聴する義務や、インターネット環境等の確認(はい・いいえに丸をつける)
- 学歴
- 志望理由 「なぜ本校に入学しようと思ったのか」、「どのような高校生活を送りたいか」、「卒業後の目標は何か」
- 高校生活を送るために、学校に伝えておきたいこと ※ここは合否に関係ありません。
このようになっています。
一番重要なのは志望理由ですね。「なぜ本校に入学しようと思ったのか」という部分は一番大切な部分になりますので、できるだけ詳しく書きましょう。
文字数の指定は特にありませんが、なるべく空欄スペースを空けないように書けるとベストです。また、どんなに強い思いがあっても、小さい文字でぎゅうぎゅうに書くのはいけません。学校の先生が読みやすいように書くことを意識すると良いでしょう。
文章は多少下手であっても大丈夫です。無理して格好いい文章にする必要はありません。自分の気持ちや思いを素直に書けられれば良いかと思います。
面接ではどのようなことが聞かれるの?
面接では特別難しいことは聞かれないようです。私の憶測も含みますが、例として、
- なぜNHK学園高等学校をを選んだのですか?
- この学校で何を頑張りたいですか?
- 今まであなたが頑張ってきたことを教えてください。
- アルバイトをする予定はありまか?
- 「NHK高校講座」を利用して自学自習をすることは頑張れますか?
このようなことを質問されるのではないでしょうか。
よくある基本的な質問から、自分の日常生活に学習を取り入れることができるかどうか等、自分の考えをまとめておくと良いかと思います。
面接は緊張しますよね。ですが、ここでも自分の言葉で自分の思いを伝えることができればまずは問題ないでしょう。この例の他にも自分で予測した質問と、それに対する返答をノートにまとめておくことをおすすめします。私が受験したときにこの方法はとても役立ちました。
進路実績はどのような感じ?
卒業後、「行きたい大学に行けるかな」、「どんな職業に就職しているのかな」と進路についても気になりますよね。
先輩方はどのような進路へ進んでいるのか
- 進学先は?
- 就職先は?
という点で見てみます。
進学先は?
2018年度進学者数は641名でした。
- 4年制大学 351人
- 短期大学 27人
- 専門学校など 203人
- 通信制の大学・短期大学 60人
4年生大学は早慶上理、MARCHを始めとする難関大学から私立大学まで様々です。250校以上の指定校推薦があるので、進学したい学校がある場合は活用していきましょう。
進学へのサポート体制ももちろんありますが、NHK学園高等学校には進学・専門コースはありません。ですから、場合によっては塾や家庭教師、サポート校での対応が必要になるのではないかと思いました。ここのカリキュラムだけでどこまでのレベルの大学を目指せるかは事前の確認が必要かと思います。
就職先は?
就職先は具体的にどのようなものがあるのかはほとんど情報がありませんでした。
就職する方へは、
就職希望の生徒は担任・進路指導担当を通し、最適な就職先を探していきます。
ハローワークから講師を招き「就職ガイダンス」を実施しています。また、生徒一人ひとりに履歴書の書き方の指導や就職試験対策として「模擬面接」など、手厚いサポートを行っています。
ハローワークを見学する他、ハローワークの求人情報の閲覧も可能です。
このようなサポート体制で対応してくれます。
進学にしろ、就職にしろ、進路相談会などにはできるだけ積極的に参加することをおすすめします。
NHK学園高等学校って部活やイベントがあるの?
「高校生らしい生活を送りたい」「高校だからこそ部活動も頑張りたい」といった方に向けて
- どんな部活があるの?
- どんな行事があるの?
という質問にお答えします。
どんな部活があるの?
体育系
男子バレーボール部、女子バレーボール部、バトミントン部、硬式テニス部、ソフトテニス部、軟式野球部、陸上競技部、サッカー部、ソフトボール部、水泳部、卓球部、剣道部、男子バスケット同好会、女子バスケット同好会
文科系
ESS部、書道部、歴史部、軽音部、まんが部、コーラス部、自然科学部、吹奏楽部、美術部、家庭科部、フォークダンス部、演劇部、アフレコ部
私が想像していたより多くの部活動がありました。ただ、いずれの部活も東京で活動しているようなので、他のスクーリング会場には部活があるのかどうか確認が必要です。登校数が少ないコースを選択した場合、どうしても友達を作りにくくなってしまうため、部活で友達や仲間を作ると良いかもしれません。
どんな行事があるの?
4月 | 入学式 |
5月 | 保護者会 |
6月 | 運動会、進路合同相談会 |
7月 | 夏祭り、郊外活動 |
8月 | 全国定時制通信制体育大会 |
9月 | 中間試験 |
10月 | コースやクラスごとのイベント |
11月 | 学園祭 |
12月 | メディアラーニング(NHK放送センター見学) |
1月 | 球技大会、年度末試験 |
2月 | 卒業式(NHKホール) |
年間行事はこのような感じです。メディアラーニングや、卒業式がNHKホールで行われるなど、NHKらしさが出ていますね。
ここにあげた他にも各スクーリング会場にて差はあるのかもしれませんが、他の通信制高校と比較すると行事は少ない印象です。
「高校生らしい思い出をたくさん作りたい」「行事や部活で青春を謳歌したい」と思っている方には物足りないのではないかと思います。
NHK学園高等学校についてのまとめ
いかがでしたか?
ここまでのことを振り返ると、
- 様々な年代の方がいるため、よい刺激になる。
- 登校数が少ないコースは友達が作りにくい。
- 学費は平均よりやや高めかもしれないが、各種制度を利用すれば実質的な負担は少ない。
- レベルが高い大学への進学は他のサポートを受けた方が良いのかも。
- イベントは少なめ。行事が好きな方には物足りない。
といったところでしょうか。NHK学園高等学校は「誰でも入学しやすい」「学びやすい」通信制高校と言えると思います。他の通信制高校に比べ、幅広い世代の生徒がいるので、現役高校生は“地味”と感じても、編入生にとっては入りやすいといえます。
通信制高校すべてにおいていえることですが、“高卒の資格を取る”という目標だけになってしまいいがちです。高卒の資格を取った後、その資格をどう活かしていくかを視野にいれていくことが大切ですね。
入学を決定する前には必ず自分の目で見てから決めてください。問い合わせや、資料請求をしてみて、入学相談会なども活用しましょう。
NHK学園高等学校への入学を検討している方の参考になれば幸いです。