お子様に「高校辞めたい」って言われると焦りますよね。それが高校2年生であれば、
「高2から編入できるの?」
「卒業時期はいつになる?」
「編入にはどのくらい学費がかかるの?」
「編入の仕方は?」
など疑問があると思います。
そこで今回は、卒業時期や学費、編入の仕方や試験内容について解説します。
目次
高2から通信制高校への編入は可能
編入を経験したことなければ、もしかして1年生からやり直しになるのではないかと、不安になる人も多いでしょう。
しかし、ご安心ください。単位の引き継ぎ等については、後ほど説明しますが、やり直しということはなく、2年生から編入することは可能です。
編入するには以下の注意点があるので頭に入れておくとよいでしょう。
通信制高校には入学できる区域が制限されていることがあります。県内の学生しか受け入れない高校もあるので注意が必要です。公立高校では区域を制限しているところが多いです。
編入時期は随時募集している高校もあれば、特定の時期しか募集していない高校もあります。編入時期で多いのは4月、10月の2回のみですね。
希望する高校の資料や公式HPで区域や編入時期を確認しましょう。
高2から通信制高校への編入の場合卒業時期は遅れる!
どうせなら周囲と同じ時期に卒業したいですよね。ただ結論から言うと、同時期に卒業することはできません。
その理由を詳しく解説します。
卒業には以下の3点を満たしていることが必要です。
1.74単位以上の取得
2.通算3年間以上の就学
3.3年間で30時間以上の特別活動への参加
全て満たさないと卒業することはできないので注意してくださいね。
特別活動というのはホームルーム活動や学校行事、生徒会活動のことです。意外と思うかもしれませんが、これらの活動に参加することも立派な高校卒業条件なのです。
また、単位数や就学年数に関しては、当たり前と思う方も多いと思いますが、注意点がありますので、詳しく解説します。
卒業に必要なのは残り44単位
卒業に必要な単位数は74単位です。基本的に、編入時には1年生で取得した単位は引き継ぎが可能です。
高校1年生で単位を落としていなければ約30単位取得しているはずです。
つまり高校2年生から編入する場合には、
74単位-30単位(取得単位数)=44単位が必要です。
はい、残念ながら、それは引き継ぎできません。
全日制高校では1年の学期末に単位を取得する方法をとっています。2年生の授業を受けている途中で学校を変えてもその履修中の単位は引き継げません。
つまり、高2の一学期に授業を受けていたとしてもその授業の単位はもらえず、1年生のときに取得した単位のみが引き継ぎ可能となります。ですので、仮に1学期学校に通っていたとしても、そこで取得した単位については、もう一度取得する必要があります。
卒業に必要なのは通算3年間の就学
2年生途中の単位は引き継ぎできないとはいえ、通信制高校の場合は、授業の予定をある程度自分で決めることができます。そのため、単位数という点だけで言えば、頑張れば3年間で取得することは可能です。
たしかにそのように感じてしまいますが、それはできません。
なぜなら、卒業するには3年間の就学が必要だからです。
2年生で中退して再入学を行う編入では、2年生の通っていた就学日数はカウントされないため、仮にすぐに編入できたとしても、空白期間ができてしまうことになります。
結果的に、同級生たちと同じ時期に卒業はできなくなるのです。
具体的な期間は、どの時期に編入したかによって変わりますが、一般的な例で説明しておきます。
編入時期の多くは4月と10月の2回あります。そして、卒業時期も前期と後期の2回が多いです。
高2の10月の編入時期までに入学できれば半年の遅れで済みますし、11月以降、周囲が高3の4月に編入になれば、1年間遅れます。通信制高校の多くは前期と後期に2回卒業時期を設けているので半年だけの遅れで済むんです。
高2から通信制高校に必要な学費
通信制高校の学費の内訳は入学金、授業料、施設設備費などにかかる費用になっています。
学費=入学金+授業料(単位数×1単位の金額)+施設設備費など
編入だと入学金や施設費などどう変わってくるのか気になりますよね。しかし、入学金は編入するときに必ずかかります。特に減額などはないようです。
施設設備費は資料に月額か年額で記載されています。年額で記載されている施設設備費は1年在籍していなくても、1年分支払うこともあります。月額に分割されていないことが多いです。月額で記載されている学校は編入してからの金額だけ払うことになります。
編入の学費は授業料によって大きく変わります。編入だと必要な単位数がそれぞれかわってくるからです。
授業料は1単位=○円としているところが多いです。
公立では1単位=300円~1,000円、私立は1単位=6,000円~が相場となっています。
授業料は、卒業に必要な74単位-取得単位数×1単位の金額になります。授業料で見ると公立は約4万円(千円で計算)、私立は約26万円(6千円で計算)かかります。
学費を重視する方は入学金や施設費と授業料を計算して比較するとよいでしょう。通信制高校の多くは公式HPや資料に1単位当たりの金額を記載しています。
通信制高校への編入の仕方
たしかに、編入と聞くと手間がかかりそうな気がしますよね。ここで、具体的な編入方法を確認しておきましょう。
編入には次の3つの手順を踏む必要があります。
1.資料請求や学校見学会に行く
2.入学願書などの書類を準備する
3.試験を受ける
資料請求や学校見学会に関しては、気になる学校のホームページを確認するようにしてください。
ここでは、編入に必要な書類と試験内容について説明します。
編入に必要な書類
書類には自分で用意するものと別に在籍していた高校に用意してもらう書類があります。
基本的に自分で用意する書類は入学願書、
高校に用意してもらう書類は成績・単位証明書、在籍証明書
となります。
これに各通信制高校で必要な書類が加わります。健康診断書だったり、作文だったりが必要な場合があります。
書類を準備するのに数週間かかります。
「書類が間に合わない!」なんてことにならないように、高校に用意してもらう書類は余裕をもって請求するようにしましょう。
試験内容は面接・筆記試験・作文
多くの通信制高校は入学するために面接や筆記試験、作文が行われます。
試験内容は学校によって変わりますが多くがこの3つです。
学力を試すようなものではなく、学校があなたについて知るためのものなので難しい試験はありません。
面接では、
通信制高校に入ってやりたいこと
なぜこの学校に編入しようと思ったのか
といったことを聞かれます。
どこの通信制高校でも聞かれることは似たり寄ったりなので答えを用意しておきましょう。
変に構えることはせず、素直にあなたを表現してください。
危険行為とみなされることをしなければまず大丈夫です。
作文は基本的な読み書きができればまず受かります。テーマは志望動機など簡単なものです。注意するなら指定文字数が足りなかったり、名前を書き忘れなければまず大丈夫です。
勉強が苦手でも安心してください。
まとめ
今回の記事をもう一度整理すると、
・高2から編入は可能、区域制限と編入時期に注意
・再入学までの空白期間ができるため卒業時期は遅れる
・学費は必要な単位数によって変わる
・編入に必要な書類はそろえるのに時間がかかる
・編入試験は面接・筆記試験・作文
です。高2でも編入はできます。
編入が早いほうが、卒業も早いので編入を決めたら積極的に行動を起こしましょう。