お子さんに急に高校辞めて通信制高校に行くて言われたら、親としては焦りますよね。実際今そうなって、通信制高校に転入・編入する方法を調べているんだと思います。他にも、
「私の場合って、転入と編入のどっちなの?」
「前籍校で取った単位はどうなるの?」
「どんな人たちが転入や編入を希望しているのかな」
と疑問に思うところが多いですよね。今回は、これらの疑問を解きながら通信制高校へ転入・編入するための手続き方法について紹介していきます。
目次
【具体的な違い】通信制高校の転入と編入を詳しくチェック
最初に、転入と編入について「何が違うのか」「それぞれの特徴」を解説します。入学条件についても触れるので、チェックして受験に備えやすくしましょうね。
転入
高校に在籍中の生徒が期間を空けずに別の高校へ移ることです。入学ついては随時受け付けている学校が多いのが特徴です。
編入
高校を中途退学した生徒が期間を空けて別の高校へ移ることです。入学時期に関しては制限がある学校が多いのでしっかり確認しましょう。
入学条件
募集地域 | 「広域通信制高校」は全国から入学できる。
(区域が限定されている場合もあるので要確認) |
募集年齢 | 制限なし(15歳~)
中学校(これに準ずる学校)を卒業見込みの人・卒業した人、同等以上の学力が認められる人なら誰でも入学できる。 |
【何が必要?】通信制高校に転入・編入するための手続きの中身
通信制高校に転入・編入するまでに、
・必要書類の提出
・入学試験の受験
・履修相談や履修登録
を行う必要があります。これらについて詳しく見ていきましょう。
必要書類の提出
入学するためには、当然書類を集めて提出する必要があります。
通信制高校における転入や編入の試験を受けるには、必要な書類を準備し提出することが必須条件です。入学試験の「書類審査」を受けるために、以下の3点が必要です。
・入学願書
・成績(単位修得)証明書
・(転入学希望者のみ)在籍証明書、転学照会
※学校によって必要書類が異なる場合があるので、しっかりチェックしましょう。
それぞれの書類について、説明します。
入学願書
入学願書は入学を希望する学校に資料請求をすることで、手に入ることが多いので、まずは入学を検討する学校があれば、資料請求をしてみましょう。
ただ、時間があるのであれば、その学校へ子どもと一緒に直接行って、もらってきた方が良いでしょう。
転入や編入というのは、途中から入学することになるので、お子様がちゃんとその学校でやっていけるのかどうか、確認することは非常に大切です。
直接学校に行って、雰囲気を感じることで、失敗のない学校選びができるようにしましょう。
成績(単位修得)証明書
成績(単位修得)証明書は、在籍校(前籍校)に発行を依頼します。電話等で学校へ問い合わせ、郵送してもらうことが可能です。学校によっては、直接受け取りに行く必要がある場合もあるので確認しましょう。
また、成績証明書と単位修得証明書は同じものとして扱われることが多いですが、どちらかを指定している通信制高校もあります。どちらが必要なのかをしっかりチェックし、請求するようにしましょう。
在籍証明書、転学照会(転入希望者のみ)
成績(単位修得)証明書と同じく、在籍校(前籍校)に電話等で問い合わせて発行を依頼し、郵送してもらうなどして取り寄せます。この書類も、直接受け取りに行く必要がある場合があります。
上記の成績(単位修得)証明書・在籍証明書・転学照会は、発行後3か月を過ぎると期限切れとなる場合がほとんどで、期限を過ぎると再発行の手間が出てくるので注意しましょう。
また、これらの証明書は封筒に入った状態で受け取ることになりますが、開封すると無効となるので要注意です。
証明書の受け取りは、生徒本人でなければならない場合がほとんどですが、代理人の受け取りが可能な学校もあります。代理人の受け取りは、委任状や本人の身分が分かるもの(健康保険証など)の提出が必要になることが多いので、各学校の事務に問い合わせる必要があります。
入学試験の受験
書類の提出が終わったら、入学試験に備えます。通信制高校の転入・編入の試験内容について簡単に説明していきますね。
通信制高校の書類審査
通信制高校の試験では、事前に提出した書類をもとに審査が行われます。課題として作文が課されることもあるので、その場合は必要書類とともに提出することになります。
通信制高校の面接
通信制高校での面接は、保護者同伴の場合もあるので保護者の方の準備も必要になることがあります。内容自体は、転入や編入を希望する理由や将来の夢など、ごく簡単なものなのであまり緊張せずにリラックスして受けられるとベストですね。
通信制高校の学力試験
学力試験は課されない学校がほとんどですが、必須の学校もあるので要確認です。
履修相談や履修登録
通信制高校に転入・編入するときには履修相談を行います。タイミングは各学校によりますが、面接中や受験前・受験後に履修科目の確認をします。教師や保護者と、最終確認や再調整を経て「履修科目確認票」を郵送で提出します。
履修登録が完了したら学費が確定します。学費を納入後、いよいよ通信制高校での生活がスタートします。
【しっかりと押さえたい】通信制高校における単位の引き継ぎ
転入・編入をする際に、修得済みの単位を引き継げるようになっていることを知っていますか。これは、全日制高校・通信制高校を問わず、また退学後でもできるので安心ですね。
学年が決まる目安の単位数
前籍校において修得した単位数によって、転入・編入時の学年が決まります。
1年生 | 前籍校での修得単位数が5単位以下 |
2年生 | 前籍校での修得単位数が6~39単位 |
3年生 | 前籍校での修得単位数が40単位以上 |
※通信制高校を卒業するためには74単位が必要なので、頭に入れておきましょう。
全日制高校から転入・編入する際の注意点
多くの全日制高校は学年制になっているので、単位を修得できるのは進級時です。つまり、学期毎に単位を修得できるわけではなく、1年間に修得できた単位に限り、転入や編入を希望している先の学校へ引き継がれるというわけです。
ここで注意すべき点は、前籍校でテスト等を受け単位を少しでも修得していたとしても、入学時期によっては単位が取り消されもう一度同じ単位を修得しなければならなくなるというケースがあるということです。
例(編入時)
・1年生で中途退学した場合
別高校へ編入→修得済みの単位数0→1年生をやり直し
・2年生で中途退学した場合
別高校へ編入→1年生で修得した単位を引き継ぎ→2年生をやり直し
※転入時も、編入時と同じく前籍校の修得単位数や出席日数を考慮し学年が決まります。しかし、修得済みの単位をもとにカリキュラムを組んでもらえることもあるので、転入の場合は同学年の人たちと同時期に卒業できることが多いです。
【結構気になる】通信制高校へ転入・編入する人の特徴
たしかに、通信制高校って聞くと、保護者からすると、あまり良いイメージがないかもしれませんので、不安になりますよね。
実際、通信制高校へは、様々な理由で転入・編入する生徒がたくさんいます。その理由の一部について、簡単に紹介しますね。
病気療養が必要となり、全日制高校への通学が難しくなった人
通信制高校では通学型学習だけでなく在宅型学習も選択できるので、自宅や入院先で授業を受けることが可能です。自分に合った学習スタイルで、体調に合わせて高校卒業を目指すことができる点が魅力的ですね。
先生に何でも相談しやすい環境だったので、卒業まで諦めずに在籍することができました。(Aさん)
学校の授業についていけず困っている人
通信制高校は、中学校の授業からやり直したい人や学校から離れていた時期が長い人など、勉強することに不安がある人にも対応しています。
学び直しや少人数制の授業にポイントを置いている学校もあるので、自分の不安を解消しやすいカリキュラムがある通信制高校を選択できるとベストですね。
不登校の経験がある人
前籍校での人間関係が上手くいかなかったり、もともと集団生活が苦手だったりと様々な理由から不登校を経験し、通学自体に不安がある人でも安心して入学できるのが通信制高校です。
在籍中の不安や悩みを減らし、日々の生活や勉強に集中できるようにしっかりとしたサポート体制が整っている通信制高校が多いです。
(例 カウンセリングルームの完備、チャットなどのインターネットを使用した非対面型の相談システム)
不登校だった時は家に引きこもりがちでしたが、通信制高校に入ったことで外に出て活動することに負担を感じにくくなりました。(Bさん)
仕事をしながら高校卒業を目指す人
通信制高校では、学費を自分で払いながら通う人のための「登校回数が少ないコース」を設置している場合が多いです。週1日や2日から登校できる学校もあるので、通学しながら勉強したい人でも、在宅中心で勉強を頑張りたい人でも通うことができます。
このように、様々な人にメリットのある通信制高校ですが、実際に通うとなるとデメリットも見えてくる場合があります。
在宅中心のコースだと自学自習が基本になるので、日々の課題をこなすためにモチベーションを高めることが大変でした。(Cさん)
学費が高いと感じます。条件を満たせば補助金制度などを活用することもできるので、通うとなったらそこも要チェックだと思います。(Dさん)
このようなデメリットに気を付けながら、学校を選択し通うようにしましょう。
【知っておきたい】転入・編入を随時受付中の通信制高校
転入も編入も、随時受け付けている通信制高校を紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
まとめ
ここまで、通信制高校に転入・編入するために必要な知識や手続き方法について紹介してきました。
・「転入学は高校在籍中の人」「編入学は高校を中途退学している人」が使う入試制度。
・通信制高校への転入もしくは編入の希望者は、書類提出→入学試験の受験→履修相談→履修登録の手順を踏む必要がある。
・単位の引き継ぎは「転入」「編入」どちらでも可能。(入学時期によっては修得済みの単位が取り消される場合もある)
・通信制高校には、様々な理由の転入・編入生がいる。(全日制高校への通学が困難な人、仕事をしながら通学したい人など)
となります。通信制高校の転入と編入の手続きをスムーズに進めるためにも、積極的に情報を収集し行動するようにしましょう。