勉強や友人関係と同じくらい学校生活の要となる存在、部活。
大好きな友人や尊敬できる先輩との部活が学校の楽しみ!という人も多いのではないでしょうか。
高校生になったら、中学でやっていたことを更に極めたい、もしくは高校に入ったんだから心機一転違う部活にチャレンジしたい、という話もよく聞きますね。
勉強と同じか、それ以上に学校生活では大事になってくる部活、皆さん気になることと思います。
でも、通信制高校の部活についてって、あまり聞きませんよね。
通信制高校だと部活は諦めなきゃいけないの?
厳しい上下関係は苦手なんだけど大丈夫?
そんな疑問にお答えして、この記事では、
・通信制高校にも部活はあるか
・部活の雰囲気
について説明しちゃいます。
納得してから通信制高校に進学しちゃいましょう。
通信制高校にも部活はある?
通信制高校にも部活はあります。
ただし、場所や時間の都合上、あまり盛んではない場合が多いです。
といっても、中には全国大会に出たりしている強豪校もありますので、通信制高校だから部活を楽しめないなんてことはありません。
通信制だからこそのユニークな部活をしているところもあるんですよ。
どんな部活があるの?
全日制同様、学校やキャンパスにより様々です。
スタンダードなバスケ部やダンス部、サッカー部などがある学校が多いです。
通信制高校はビルの中にあり、校庭がないことが多いので、運動部は近くの学校のグラウンドや公共の体育館などを借りて練習をしているそうです。
もちろん文化部もあり、書道部やクッキング部、軽音部など様々な部活が学校によって存在しています。
学校によっては、eスポーツ部などユニークな部活を行なっているところもあります。
ただやはり、部活をする生徒が少なかったり、グラウンドなどを借りるためにもお金がかかることから、部活の数は全日制に比べて少ない場合がほとんどです。
広域通信制高校等の場合は、キャンパスによって行われている部活も異なっている場合があります。
どちらかというと、サテライトキャンパスよりも本校舎のほうが部活動が盛んな傾向があり、学校によってはサテライトキャンパスでは部活動がないなんて場合もあります。
「自分の入りたい部活がない…」なんて時も、部活動ではなくとも生徒間でサークル活動をしている場合もあります。
学校見学の際、先生や先輩に聞いてみるといいですね。
皆で活動したい!でも自分のやりたい活動がない!という時は、自分でサークルを立ち上げることを目標として入学するのも素敵です。
サークル活動を推奨している通信制は多くありますし、自分でサークルを主催するということで得られる経験もたくさんありますからね。
活動時間は?
通信制高校では、皆の登下校の時間は揃っていないことが多いので、全日制のように「毎日放課後に練習」ということができません。
スクーリングの後に皆で集まるという形になりがちですし、運動部の場合はいつでも使える体育館などがない場合が多いことから、練習時間や練習日はどうしても少なくなってしまいます。
やはり学校や部活によりけりですが、週1回程度の活動となる場合が多いようです。
「もっとスポーツに打ち込みたい!」
「もっと皆と楽しみたい!」
という人は、部活という形にこだわらずサッカーなどのスポーツ専門コースのある通信制を検討するか、あるいは個人でクラブチームに所属するなどしたほうがいいでしょう。
漫画やアニメなども、専門コースのある通信制高校は数多くあります。
専門のカリキュラムのあるコースに入学したほうが、共通の趣味を持った仲間に出会えますし、専門の授業を受けることが出来るので、自分のスキル上達や就職、進学に繋がります。
「自分の好きな活動に思いっきり打ち込んで、その方向で就職していきたい!」と考える人には部活よりも、専門コースへの進学を考えることをおすすめします。
逆に、ライトに楽しみたい、部活と自分の生活や仕事などを両立させたい!と考える人にはいいですね。
普段通信制高校ではあまり他の生徒と顔を合わせないために友人が出来づらいですが、部活に入ることで違うコースや授業の友人に出会えた、という話もよくあります。
部活に入ることで、学校生活をよりよく楽しむことができますね。
全国大会に出場できる?
練習があまりない、部員数が少ないなど、通信制高校の部活はあまり盛んではないと言ってしまいましたが、それでも限られた練習時間の中頑張って大会に出場している部活もたくさんあります。
定時制の高校が出場できる大きな全国大会には2つあります。
・全国高等学校定時制通信制体育大会
・全国高等学校定時制通信制軟式野球大会
全国高等学校定時制通信制体育大会は略称「定通大会」とも言われ、全国の定時制と通信制高校の運動部が大会に出場します。
陸上・自転車・卓球・テニス・剣道・柔道・バレーボール・バスケットボール・サッカー・バドミントンの種目があり、部員数が少ない学校は合同チームでの出場も認められているのが特徴です。
全国高等学校定時制通信制軟式野球大会は特に「定通野球」と呼ばれ、「第2の甲子園」「もう1つの甲子園」などと呼ばれたりもします。
こちらは、部員数の少なさのために女子も男子と一緒に選手として登録・参加することができます。
最近では2014年には第一学院高等学校が全国高等学校サッカー選手権大会に出場したり、また2016年の夏の甲子園にはクラーク記念国際高等学校が出場したりと、全日制と同じ大会に出る通信制も増えてきています。
通信制は基本的には定通大会に出場するのですが、強豪校のうちには高体連へ加盟し、全日制と同じ大会への参加が認められているところがあるんですよ。
文化部ではNHK学園高等学校の吹奏楽部が有名です。訪問演奏やコンサートも多く、コンクールへも積極的に参加しています。
聖パウロ学園高等学校は美術部の学外展示を行っています。
こういった部活動が盛んな、むしろそれを売りにした通信制高校も数多く存在します。
最低限の授業以外は部活に専念できることが、通信制の強みとなっているようです。
部活が有名な通信制高校
部活が活発な通信制高校をいくつかご紹介します。
・第一学院高等学校
スポーツコースサッカー部があり、サッカー選手や指導者を育成している第一学院高等学校は、サッカーの強豪校として有名です。
インターハイなど数多くの大会に出場し、成績を残しています。
スポーツコースには他にスケートボード部、スノーボード部が2020年に新しく設置されました。
それだけでなく軽音楽部、演劇部、美術写真部、フットサル部、などなど、キャンパス毎に多くの部活があります。
全国の第一学院高等学校のフットサル大会である「WITHUS DAIICHICUP」も毎年開催されているのは、広域でキャンパスが多い通信制高校ならではですね。
・クラーク記念国際高等学校
クラーク記念国際高等学校も部活動が盛んで、ラグビー部、サッカー部、ダンス部、テコンドー部、軽音部、写真部などの部活があり、力を入れてます。
フェンシングや新体操、スケートなどでインターハイに出場しています。
また北海道本校にあるスポーツコース硬式野球部が「本気で甲子園を目指す!」ことを掲げ、日々練習を重ねています。
監督には北海道高校野球指導の第一人者である佐々木啓司氏が就任しています。
野球部寮には屋内練習場やトレーニングルームまであり、2028年には専用球場まで完成予定という力の入れようです。
・NHK学園高等学校(本校のみ)
吹奏楽が盛んで、様々なコンクールに出場したり、訪問演奏を行ったりしています。
通信制高校の部活にしては珍しく、どの部活にも顧問の先生がついています。
NHK講座に出演するプロの方に教えてもらえる場合もあるようです。さすがNHK。
・N高等学校
ドワンゴと角川が協力して創立した通信制高等学校、N高。
ここには、全国のN高の生徒たちとネットを通じて部活をすることができる、「ネット部活」があります。
部活も起業部や人狼部、投資部、囲碁部に将棋部…とバラエティに富んでおり、各界の第一人者に指導を受ける機会もあります。
・さくら国際高等学校
2000年創部であり、20年続くダンス部の伝統があります。
ラオスフェスティバルや代々木ハロウィンフェスタ、長野県上田市主催の『上田わっしょい』、ふるさと渋谷フェスティバルなど多くの講演・出演経験があります。
2019年にはニューヨーク遠征を行い、カーネギーホールでの出演を果たしています。
野球部も強豪として知られ、定通野球での優勝・準優勝経験があります。
通信制高校の部活の雰囲気は?
通信制高校には、様々なバックボーンを持った人がいます。
年齢層も広く、3年で必ず卒業するわけでもないので、「○年生」という概念もありません。
ですから、部活も厳しい雰囲気ではなく、和気あいあいと活動しています。
顧問の先生もつかない場合が多いので、サークル活動のような感じが近いでしょう。
皆で楽しい時間を過ごすのが主目的となっているのです。
もちろん大会に出たい、優勝したいと考える場合には練習を積まねばなりませんが、そういう時も「皆で頑張って上手になろう!」とお互いに協力し合う雰囲気があります。
「部活で嫌な思いをしたから、部活には所属したくない」
なんて人も多いと思いますが、通信制高校ではもちろん、部活に入るかどうかも自由です。
部活に必ず入らなくてはいけない!なんていうこともないので、自分のスタイルに合わせて通学ができます。
通信制高校の部活について まとめ
通信制高校の部活は、
・部活はあるが、一般的には盛んではないことが多い
・と言っても強豪校もある
・厳しい雰囲気ではない
というものでした。
通信制高校では、部活と言ってもガチガチの上下関係などはなく、皆でゆるくスポーツや趣味を楽しもう、というスタイルがほとんどです。
「部活の先輩後輩関係が苦手」
「練習が厳しいとギスギスしてくるあの感じが嫌」
という人でも楽しく活動できるのではないでしょうか。
また、そのスポーツを極めたい人向けに、スポーツコースとしての部活も存在していました。
野球やサッカーなど、将来プロになることを目指す人は、そういった学校に通うことで多くの練習時間を得られますし、プロからの指導を受けることも可能です。
通信制高校は全日制に比べて様々なスタイルに合わせた通学が可能となっているので、部活も学校によってかなりスタイルが違います。
気になる学校がある場合は、直接説明会などで聞いてみるのが一番です。
先輩や先生から直接話を聞くことで、高校生活への想像も膨らみますね。