たしかに通信制高校から推薦で大学で行くとなると、ハードルが高いように感じてしまいますよね。実際のところはどうなのでしょうか。
今回は
- そもそも通信制高校に推薦制度はあるのか
- 全日制と比較して不利になるの
- 通信制高校から推薦で行ける大学はどのレベル
といった疑問にお答えしていきます。
通信制高校から推薦制度を利用した、大学進学を検討している方は、参考にしてください。
目次
そもそも通信制高校に推薦制度ってあるの?
たしかに、通信制高校には推薦制度自体、存在しないのではないかと思ってしまいますよね。しかし、
通信制高校にも推薦制度はあります。
使用可能な推薦制度
- 指定校推薦
- 公募制一般推薦
- 公募制特別推薦
それぞれの推薦制度の違いや特徴をお伝えしていきます。
指定校推薦制度について
指定校推薦制度というのは、各高校に大学から、貴校の生徒の中で条件の合う生徒をわが校で優先的に通ってもらいたい。
という制度です。
この制度のメリットは、
- 推薦がもらえればほぼ合格する
となります。
一方、デメリットは
- 高校側に推薦するかどうかを決める権利がある
- 行きたい大学の推薦枠があるかどうかは分からない
- 募集倍率が高い
という事になっています。
たしかに、一度指定校推薦をとることができれば、ほぼ合格できるのですが、推薦は基本的に成績上位者が優先されます。
つまり、人気の高い大学に推薦で行こうと思っても、推薦がもらえない可能性が高いのです。
一般的に推薦に言われている評定平均は、全日制の高校と同じく「3.5以上」です。ただ、通信制高校は評定が甘くつきやすい傾向があるので、「3.5」程度では、推薦をもらえる学校は、あまりないと思った方が良いでしょう。
本当に、好きな大学の指定校推薦を狙うのであれば、評定平均「4.5」は欲しいところです。
公募制一般推薦について
公募制一般推薦について紹介していきます。
公募制一般推薦は、
誰でも受けることが出来て、学校から推薦さえしてもらえれば受験することが出来る推薦入試
となります。
公募制一般推薦のメリットは
・誰でも受けることが出来る
・指定校推薦がもらえなかった生徒でも受験できる
となります。
デメリットは
・指定校推薦と比較して合格率が下がる
となります。
気軽に受験できる分、合格率はかなり下がります。推薦とは言え、小論文や場合によっては筆記試験があるので、対策を必ずとる必要もあります。
公募制特別推薦について
公募制特別推薦について、どういった推薦制度なのかというと、
過去にスポーツやボランティアなどで過去に実績のある生徒が受験できるといった推薦制度です。
公募制特別推薦のメリットは
・ボランティアや部活動の実績を生かすことが出来る。
となります。
デメリットは、
・実績がないと受験できない
となります。
部活動やその他活動において、輝かしい成果がないと、基本的には合格できませんので、何もないのであれば、公募制特別推薦では、受験しないようにしてください。
全日制に比べると通信制高校の大学推薦は不利なの?
大学に進学する以上、一般にしろ推薦にしろ、全日制の生徒たちと一緒に受験をしなければなりません。
しかし、やはり気になるのは、全日制の子よりも、下に見られてしまうのではないか、ということですよね。
ご安心ください。
全日制の学校と比べて不利になることはありません。
なぜ、大学入試で不利にならないのか、理由は2つあります。
- 大学で推薦入試を受ける時に全日制また、通信制など各項目がないので大学からは分からない。
- 通信制高校でも指定校推薦なども学校ごとに対応している。
それぞれについて具体的に説明していきます
大学で推薦入試を受ける時に全日制、通信制などと記載しないため大学側には分からない
まず、大学で推薦入試を受ける時に全日制、通信制などと記載しないため大学側にはわからない。というのは、高校を卒業した際に学歴などを記載する時には、
- 全日制
- 定時制
- 通信制
といったことを記載しますが、大学の推薦制度を利用して応募する際には、使用しないため違いを記載しないため大学からは分からないようになっています。
ですので、通信制高校に通ったから不利になるという事はありません。
通信制高校でも指定校推薦なども学校ごとに対応している
全日制や通信制高校などでは、それぞれの学校に指定校推薦枠というものが設けられています。通いたい大学などの指定校推薦枠のある学校であれば、全日制だろうが、通信制高校だろうが、関係なく合格ができます。
通信制高校に通うと推薦や大学入試に不利になるという情報がありますが、実際のところはそのような事実はない、ということです。
推薦制度の利用でどのレベルの大学まで進学することが出来るのか
通信制高校から推薦制度を利用して進学することのできる大学は、学校によって異なります。実際、推薦制度の利用をして、名高い大学に進学することが出来た生徒も多くいます。具体的には、
- 立教大学
- 筑波大学
- 青山学院大学
といった大学に進学している生徒がいるのは事実です。
しかし、現実はそう甘くありません。
ほとんどの生徒が、「大東亜帝国(大東文化大学・亜細亜大学・提供大学・国士舘大学)」と呼ばれる、偏差値40程度の大学やあまり聞いたことのない大学などへ進学しています。
もしも、誰もが知っているような有名大学に進学させたいと考えるのであれば、一般入試で受験することを、考えた方が良いです。
通信制高校から大学に進学した人の声や意見
公募推薦入試で龍谷大学に合格しました!|キャンパスブログ|滋賀県/滋賀(草津)キャンパス|通信制高校ならKTCおおぞら高等学院 #通信制高校 #KTC #おおぞら #滋賀 #学科 #進路 #生徒 #高3 #高2 #高1 #高校生 #中3 #中学生https://t.co/cfjQFsKo9R
— KTCおおぞら高等学院/公式 (@ktcschool) January 4, 2020
通信制高校から推薦で、大学に進学した人の声や感想をお伝えしていきます。
こんな声がありました。
- 学校で、様々な経験を得ていたことから推薦入試で大学に入れた。
- 成績をしっかりと取れていたことから、指定校推薦で大学に進学することが出来た。
といったものがあります。
やはり、しっかり勉強し、努力を続けたことで、大学に合格できたことがわかります。
通信制高校から推薦入試で大学に合格することは可能!ただし・・・
もちろん、推薦で大学へ進学することは可能です。
ただし、最初から推薦だけを目指すことは、オススメしません。
というのも、現在は大学入試制度改革が進められています。そして、基本的には推薦制度であっても、筆記試験を課すことが原則となりました。
つまり、仮に評定平均が良く、推薦をもらうことができたとしても、これからは当日のテストの点数が悪ければ、不合格になる可能性が高くなるということです。
ですので、仮に推薦を目標をしているにしても、筆記試験があることを念頭に置き、一般入試を受験するような気持ちで、大学受験対策を行うようにしてください。そうすれば、筆記試験があっても十分対応ができるので、問題なく合格が可能となります。
一般入試が厳しい場合はAO入試を利用するのもあり
たしかに、一般入試は当日の、テストの結果次第で合否が決まるものです。どんなに頑張っても当日に力を出すことができなければ、合格することができません。ですので、一般入試に不安を感じるのは当然でしょう。
そんな方にオススメしたいのがAO入試です。AO入試(アドミッションズ・オフィス)は大学側が求めるイメージに合うかどうかを見られます。
入試方法も推薦入試と似ており小論文や面接が多いですが、面接時に自分の特技をアピールすることで合格することができることもあるなど、何か強みを持っている生徒にとっては有利な入試です。
また、AO入試最大の利点が、併願受験ができることです。推薦入試は基本的には専願なため複数受験ができませんが、AO入試であれば、何校でも受験が可能です。一般入試に不安をかかえていて、何かアピールポイントがあるのであれば、AO入試の受験も考えると良いでしょう。
まとめ
今回は通信制高校から推薦制度を利用して大学進学ができるのかどうかについて、解説していきました。
まとめると、
・通信制高校に進学しても、推薦制度を利用して大学進学することは可能
・通信制高校だからといって、全日制高校よりも不利になることはない
・通信制高校の推薦を利用して、名高い大学に進学するのは、難しい
・推薦制度を利用しての進学を希望している馬合でも、大学入試に向けてしっかり勉強しておいた方がよい
となります。
推薦制度は、保護者からすれば非常に魅力のあるものだと思います。しかし、最初から推薦だけを考えてしまうと、お子様の未来を狭めてしまう可能性もあります。まずは自分の子どもがどうしたいのかを理解してあげてください。その上で推薦制度を利用することで夢が実現できるのかを考え、利用を検討してみてください。