通信制高校ってどんなところ?と疑問に思った時、皆さんはどうしますか?
今だと、まずスマホやパソコンで検索サイトを開いて検索する人が多いのではないでしょうか。
すると、その検索結果に一緒によく出て来るのが「サポート校」。
学校の説明を見ても似ているし、サポート『校』っていうくらいだから学校なのかしら?
じゃあ、通信制高校とサポート校ってどう違うの?
と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
今回は、迷われる方の多い通信制高校とサポート校について、その違いをご説明します。
目次
通信制高校とサポート校の違い① 高校かどうか
簡単に言ってしまえば、通信制高校は「高校」ですが、サポート校は高校ではありません。
通信制高校とサポート校の最大にして1番の違いです。
通信制高校
通信制高校は学校教育法に定められた「高等学校」です。
ですので、レポートやスクーリング、テストなどを行なって単位を得ることで、高校卒業資格を手に入れることができます。
学校によってカリキュラムやスクーリング日数等だいぶ違うように見えますが、どの学校も学校教育法に定められて基準をクリアしています。
また、卒業した後就職する場合、履歴書に書くのはここの名前になります。
サポート校
サポート校は、通信制高校に通う生徒向けに、課題でわからない部分や提出物などのサポートを行います。
特にスクーリング回数が少ない通信制高校だと、自分ひとりで勉強するのに行き詰まってしまったり、バイトや習い事などに追われて課題の提出が後回しになってしまう…ということはよくあるからです。
また、不登校などで学校に行くのが辛い、などの相談にも乗ってくれます。
通信制高校を卒業できるよう、勉強面だけでなく心理面などまでフォローしてくれるところが、サポート校なんです。
つまり、サポート校は学校ではないので、卒業してもそれだけでは高校卒業資格にはなりません。
位置づけとしては、塾や予備校等と同じものとなります。
ですので、塾の名前を履歴書に書かないのと同様、サポート校の名前も履歴書には書きません。
サポート校は、通信制高校卒業のためのサポートをするところなので、通信制高校の入学と同時に入学することがほとんどです。
また、多くのところでは提携する通信制高校が決まっています。
通信制高校とサポート校の違い② 運営母体
通信制高校は「高校」だけれども、サポート校は塾のようなもの、と前の見出しではお伝えしました。
それだけではなく、通信制高校とサポート校は運営する母体も異なっています。
通信制高校
全日制の高校と同様、公立と私立があります。
公立の場合は学費が大幅に抑えられるという特徴がありますし、私立の場合は学校ごとに特色のあるカリキュラムが組まれていることが多いです。
また、公立の通信制高校は入学だけでなく、編入や転入も4月のみ、もしくはあっても年2回というところがほとんどですが、私立の場合は定員に空きさえあれば随時受け入れてくれるところが多くあります。
公立の場合は都道府県が運営していますし、私立の場合では学校法人もしくは株式会社の運営となります。
株式会社が運営しているところもあるの?
学費が高かったりしない?本当に大丈夫?
NHK学園高等学校やN高等学校なども、名前のとおり株式会社運営の通信制高校です。
株式会社立だからといって取り立てて学費が高かったりすることはありませんし、特色あるカリキュラムを組むことが出来るんですよ。
サポート校
サポート校は公的な学校ではないため、公立はありません。
通信制高校と同様に学校法人が運営していることもありますが、民間からの参入が通信制高校に対し容易なため、株式会社立のものも多く存在します。
塾や予備校などを経営する会社が運営していることも多いようです。
運営している会社により、通信制高校以上に学費やカリキュラムの差が出てきます。
通信制高校とサポート校の違い③ カリキュラム
通信制高校は高校であるため、クリアしなくてはいけない教科数や内容が学習指導要領によって決まっています。
しかし、サポート校はそのような縛りがないため、学校ごとに特色あるカリキュラムを自由に設定することができます。
通信制高校
通信制高校は、レポートやスクーリング、テストによって単位を取得します。
最低でも3年以上在籍し、74単位を取得しないと高校卒業資格を得ることができません。
ネットなどを通じて独学で勉強を行い、週に1回~月に1回程度スクーリングを行うところが多いでしょう。
最近は学校によって特色あるコースを設定しているところも増えてきていますが、高校卒業資格を得るための勉強をするのが基本です。
サポート校
サポート校は学習指導要領に縛られないため、学校ごとに特色あるカリキュラムを設定することができます。
・美容系専門学校などと提携し、美容師の資格を取ることができる
・プロの講師から漫画や声優についての授業を受けられる
・大学進学のための勉強をサポートしてくれる
・年間のイベントに力を入れている
・不登校の生徒に対し、家庭教師を派遣してくれる
など、高校卒業のための勉強のサポートをしてくれるだけでなく、楽しく通うことができる工夫がされていたり、将来につながったりするような様々なコースがあります。
学校によって開講しているコースやカリキュラムは全く異なっています。
自分がどのような目的でサポート校に通いたいのか、を考えて学校見学などを行うことが大事になってきます。
自習に対してのサポートや+αの学びを提供してくれる場、と考えれば分かりやすいかもしれません。
また、サポート校では高校の教科以外の勉強もするので、登校は週5、もしくは週3となる場合が多くなります。
通信制高校とサポート校の違い④ 学費
通信制高校に通う場合には、当然のことながら必要な学費は通信制高校のみとなります。
しかし、サポート校に通う場合、通信制高校+サポート校の学費を負担する必要があります。
つまり、サポート校分の学費が余計にかかってしまう…というわけですね。
通信制高校
通信制高校に通いたい場合、
公立であれば年間5万円
私立であれば年間30万円
程度が学費の目安となります。
公立は1単位500円、私立は1単位8000円程度が平均となります。
私立の場合、就学支援金や各都道府県の奨学金などを利用することができます。
その場合、年間10万円程度の出費に押さえて高校卒業資格を得ることも可能となってきます。
サポート校
サポート校は学校と通学日数にもよりますが、大体年間50万~かかると考えておいたほうがいいでしょう。
スクーリングやレポートを管理してもらうための週1日登校だけでも、年間で20万円以上はかかります。
1単位では10,000円程度のところも珍しくありません。
更に、前述したような「美容師の資格を取るためのコース」「大学進学のための勉強をサポートしてくれるコース」などのコースを選択すると、追加で数十万円かかってくることもあります。
つまり、サポート校での学校生活をエンジョイしたい、自分の夢に向けての勉強をしたい…と考えると、年間では80万~100万程度の学費が必要となると考えておいたほうがいいでしょう。
そして、サポート校は「高校」ではないため、この学費に対して就学支援金などを利用することはできません。
全額を自己負担しなくてはならないのです。
サポート校に通うということは通信制高校にも通っているわけで、更にその分の学費10万程度も別途かかってきます。
サポート校に通う意味
通信制高校とサポート校が似たようなものだと思っていた…という人の中にはビックリしてしまう人も多いでしょう。
メリット
サポート校に通うメリットとしては、以下のことが挙げられます。
・3年間で通信制高校を卒業することができる
・将来に向けたカリキュラムで勉強することができる
・高校卒業と同時に資格を取得することができる
・心のケアを受けながら学校に通うことができる
サポート校では、通信制高校だけでは行き詰まってしまいがちな学習のフォローをしてもらえるだけではありません。
独自のカリキュラムによって自分に合わせた学び方をすることができ、就職などにも役立ちます。
学校に通うことやレポートの提出が1人では難しい、という人は、サポート校に通うといいかもしれません。
できるだけ短い年数で卒業できるよう、先生たちが力を貸してくれますよ。
高校を卒業したらすぐに働きたい、そのために知識や資格を得たい!という目的がある人にもおすすめです。
また、サポート校は登校日数が多いので、友達もできやすくなります。
目的を同じくする仲間が集まっているので、以前の学校や中学校ではうまく馴染めなかった場合も、楽しく過ごせることがほとんどです。
デメリット
・お金がかかる
・通学日数が増える
先ほども挙げたように、サポート校に通うためには年間50万円~程度の出費が必要になってきます。
この金額差はかなり大きいので、「できればサポート校無しで通信制高校を卒業したい」と考える人も多いです。
ですが、サポート校に通うことで特別なスキルや資格を得ることができる場合、高校卒業後に専門学校に通うことに比べたら安価になる場合がほとんどです。
専門学校の学費は2年間で230万円程度、サポート校は年間50万とすると4年間でも200万です。
しかも、サポート校の場合は高校卒業後すぐに就職することができます。
できるだけ早く働きたいなどの希望がある場合も、サポート校であれば叶えることができます。
もう一つのデメリットは、通学日数が増えてしまうことです。
通信制高校の他にサポート校にも通わなくてはならないので、どうしてもスクーリングの日数は増えてしまいます。
また、サポート校の多くは週5日の通学が基本です。
体調面や心理面などを理由として、通学日数が少ない通信制高校を選んでいた場合、これは大きなデメリットと感じてしまうかもしれません。
しかし、サポート校によっては週1日の通学でもOKであったり、登校時間が決まっていなかったりするところもあります。
また、カウンセラーが常駐していたり、先生が全員カウンセリングの資格を持っているなど、生徒の悩みを全力でサポートする体制を整えているところもあります。
自分のはどのようなスタイルが合っているか?を考えて進学を決めましょう!
通信制高校とサポート校の違いについて
通信制高校とサポート校の違いは、
・高校卒業資格が得られるかどうか
・経営母体
・カリキュラム
・学費
という点にありました。
特に学費は、これから通おうと考えている人には大きな差ではないでしょうか。
サポート校に通う場合、通信制高校+サポート校の学費がかかってしまうので、学費がかなり高額になってしまいます。
高い学費を払ってまでサポート校に通うことのメリットとしては、
・自分に合ったサポートを受けることで、通信制高校が卒業しやすくなる
・高校卒業資格以外に、就職に役立つ資格やスキルを得ることができる
ということが挙げられました。
通信制高校だけで頑張るか?それとも、サポート校に通って自分に合った学びを深めるか?
どちらにもメリット・デメリットがありますので、よく考えて進学を決めるようにしましょう。