将来スポーツ選手を目指す場合、高校を全日制にするか通信制にするか迷いますよね。
実は世界で活躍するスポーツ選手には、通信制高校出身者が数多くいます。
テニスの錦織圭さんやフィギュアスケートの紀平梨花さんも通信制高校の出身です。
この記事では、
なぜスポーツ選手が通信通信制高校に通うのか
自分もスポーツを頑張りたいけど、どのような通信制高校がいいのか
通信制高校でスポーツ選手はどのように過ごすのか
このような疑問について解説していきます。
目次
スポーツ選手が通信制高校を選ぶ理由
ではなぜ、スポーツ選手が通信制高校を選ぶのでしょうか。
実際の声をみてみましょう。
合間の時間を有効活用して勉強ができたり課題ができたりするので、競技に集中できるのがすごくよかったです。
プロ転向をきっかけに全日制を辞め、通信制高校にしました。スクーリングはオフシーズンに通えるし、自分で時間を作って勉強できるので、競技をする上で恵まれた環境に身をおけていると思います。
今以上に練習量をあげたり、試合の経験を増やしていきたかったので、通信制高校を選びました。タブレットで授業が進められる点が魅力的に感じました。
このように、日々の練習で多忙な人たちにとって、時間・場所を問わずに自分のペースで学習できる点が通信制高校を選ぶ大きなポイントとなっているようです。
では、ここから実際に入学する通信制高校の選び方についてお話していきます。
スポーツ選手になるための通信制高校の選び方
通信制高校を選ぶ際には、以下の2つのパターンがあります。
・スポーツコースがある学校
・スクーリング日数が少ない学校
選ぶ際のポイントとしては、
・勉強しながら、仲間とスポーツに打ち込み技術を磨いていきたい。
・専門のコーチ、トレーナーからしっかりとした指導を受けていきたい。
このように考えている方は、スポーツコースのある学校を、
・世界を飛び回りながら、自分のペースで勉強していきたい。
・別に練習環境があるので、レポートなどできるだけオンラインで行いたい。
このような方は、なるべくスクーリング日数の少ない学校を選ぶといいでしょう。
なお、これから紹介するスポーツコースのある学校のほとんどは、通信制コースのスクーリング日数が比較的少なくなっています。
やはりスポーツコースのある学校は、たとえ通信制を選択したとしても、スポーツに打ち込む環境に配慮した学習支援がしっかりとされているイメージですね。
この内容をふまえ、それぞれのパターンについて、代表的な通信制高校を紹介していきます。
スポーツコースのある通信制高校
第一学園高等学校
第一学園は、全国に52か所にキャンパスを持つ広域通信制・単位制の高校です。
サッカー・スケートボード・スノーボートのスポーツコースがありますので、
それらの競技に打ち込みたい、と思っている方にオススメの学校です。
各コースには指導ライセンスを持ったコーチや競技実績のある専門のコーチがいるため、まさに“スポーツ漬け“の高校生活が送れそうですね。
またこの第一学園高等学校の通信制の卒業生には、サッカー日本代表にも選出された香川 真司さん、柿谷 曜一朗さん、酒井 宏樹さんなどがいらっしゃいます。
実績も十分、といったところですね。
また、通信コースも年1回のスクーリングでOKとなっていますので、上記3種の種目以外のスポーツを頑張りたい、自分のペースで学習したいという生徒さんも実際にたくさんいるようです。
相生学院高等学校
テニス・ボクシング・サッカー・艇漕の各種競技のスポーツコースがあります。
午前中は学校で勉強、午後に練習というスケジュールになります。
まさに、勉強にもスポーツにも集中して打ち込める環境といえそうですね。
中でもテニス部は全国屈指の超強豪校、男女ともに全国高校選選抜テニス選手権優勝を果たしており、斉藤貴史さんなどプロテニスプレーヤーを何人も輩出しています。
東京、兵庫、大阪、広島にそれぞれキャンパスがあり、
スクーリングは本校兵庫県相生市に年間で10日程度となっています。
日本ウェルネス高等学校
東京・茨城・愛知・長野・広島・福岡にキャンパスを持ち、硬式野球・軟式野球・サッカー・陸上・バドミントン・新体操のスポーツコースがあります。
午前授業・午後練習というスケジュールになっていますが、日本ウェルネススポーツ専門学校との共同プログラムによるトレーニングによって、よりハイレベルな練習環境を得ることができるようです。
また、在宅コースも年1回の集中スクーリングでOKなので、スポーツコースの種目以外のスポーツに打ち込みたくて、この学校に入学する生徒さんもいます。
プロゴルファー黄金世代の一人とされ、今後の活躍が期待されている西畑萌香さんがこの学校の出身です。
鹿島学園高等学校
全国に200以上のキャンパスを有しており、年間年間1,000名以上の卒業生がいる通信制高校です。また全日制過程も有しており、特にサッカー部は強豪校として有名です。
スポーツコースはオプションになり、プロサッカー選手、プロレスリング選手、プロゴルファーなどを目指す生徒が、高校卒業資格の取得を目指しながらそれぞの専門競技に専念することができます。
基本的に午前中を勉強時間とし、午後に各競技の練習を行います。
基本の通信コースのスクーリングも年間数日となっており、練習の合間など、自分のペースでの学習環境はしっかりとつくることができそうですね。
鹿島学園高校は鹿島アントラーズとも提携していていることから、プロサッカー選手の鈴木 優磨さん、大橋 尚志さん、小泉 勇人さんなど多くのサッカー選手を輩出している点がポイントですね。
ルネサンス高等学校
茨城、愛知、大阪にキャンパスを有するルネサンス高等学校は、通常の通信課程に加えて、+αで各種専門コースが選択できるようになっています(Wスクールコース)。そのコースの中に「FC大阪コース」というものがあります。
これは、JFL所属の「FC大阪」が直接運営している「FC大阪高等学院」のスポーツ科コースに所属することで、日々ハイレベルな練習に励むことができるコースになります。
まさにプロサッカー選手を目指す方にうってつけのコースといえそうですね。
また、ルネサンスの通信課程はスクーリングの日数が最短4日ととても少ないです。
そのため、サッカー以外のスポーツに打ち込んでいる生徒さんも多くいらっしゃいます。
プロゴルファーの畑岡奈紗さんがこのルネサンス高等学校を出身され、活躍されていますね。
ヒューマンキャンパス高等学校
全国各地にキャンパスを展開している通信制高校です。
40以上ある「専門コース」の中に「スポーツ分野」があり、バスケットボール選手やスポーツトレーナなどを目指すことができます。
また有名プロスポーツチームと連携しており、スポーツ選手としてだけでなくそれを支えるトレーナーとして、スポーツに関する専門知識などを学ぶための環境も備わっているようです。将来スポーツ業界に身を置きたい方には魅力的な環境ですね。
スクーリングは年間2回の数日間、本校もしくは最寄りの面接指導指定校への通学となっいます。
自学自習をモットーに、自分の時間を有効活用しながら高卒資格を取得するため学習を自分のペースで進めていきます。
プロバスケットボール選手の橋本拓哉さんなどが、ヒューマンキャンパス高等学校を卒業し活躍されています。
スクーリング日数が少ない通信制高校
N高等学校
ニコニコ動画などで有名なKADOKAWAグループのドワンゴが開設した通信制高校です。
母体がIT企業ということもあり、インターネットを活用して動画形式の授業やレポート提出を行います。生徒一人ひとりに担当がつくため、ネット上から質問も好きな時にできるのも魅力ですね。
基本的にオンラインで学習を進めていけるので、スクーリングの日数は年1回、3泊4日と少ないです。スクーリングは全国12か所あるキャンパスから登校したい学校を選択できます。
4大陸選手権優勝など輝かしい成績をもつ、フィギュアスケートの紀平梨花さんがこのN高等学校の通信制に通い、日々の猛練習に加えて、合間の時間で勉強をしています。
紀平さんも、自分のタイミングで動画を見返したり、勉強を進めることができる点が魅力だと語っています。
NHK学園高等学校
NHK学園は全国どこでも入学が可能な広域通信制高校です。 尾木ママの愛称で知られる教育評論家の尾木直樹さんがアドバイザーを務められていることでも有名です。
そんなNHK学園高等学校も、ネット学習コースがあります。
このコースは日々の学習をオンライン上で行なうことができるため、年8日程度のスクーリングで進学卒業が可能です。
元バレーボール選手の中田久美さんや河村めぐみさんなどが、このNHK学園高等学校を卒業し、活躍されています。
一ッ葉高等学校
東京・千葉・福岡・熊本にキャンパスを持つ通信制高校です。
他校と同じくオンラインでのレポート提出を行います。わからない部分はメールや電話、LINEなどですぐに質問することができます。
スクーリング日数を年間4日に圧縮した「通学ゼロコース」があり、こちらのコースで実際にスポーツに励んでいる生徒も多くいらっしゃいます。
またどうしても4日間の連続したスクーリングが難しい場合は、相談すると日の分散対応などをしてくれるようです。遠征や大会などで予定が難しい人にとってはありがたい配慮ですね。
世界ランキングをもつテニス選手の内島 萌夏さんがこの一ッ葉高等学校の通信制に通いながら、世界を相手に日々ハードトレーニングに励んでいます。
実際のスケジュール・在校生の声
では、プロスポーツ選手を目指し、通信制高校に通う生徒さんたちの1日はどのようになっているのでしょうか。
実際の例をみてみましょう。
Aさん(通信制) Bさん(通学制)
日中は練習に励み、夜間に勉強するAさんに対して、通学のBさんは午前中授業を行い、午後は丸々練習に費やしています。
通学でも通信でも、やはり競技の練習にかなりの時間が使えていますね。
しかしながら、実際にこれだけの時間を練習に費やす中で、特に通信コースの生徒さんたちはどうやって学習を進めていっているのでしょうか。
こちらも実際の声をみてみましょう。
1年の3分の1は海外にいるので、日本にいるときにレポートを提出しています。また、練習の合間に年2回あるテストの勉強をしています。
(プロスポーツ選手としての活動と勉強の両立は)そんなに大変ではないと感じています。勉強に苦手意識がある自分でもなんとかやっていけているので。毎日夜1時間はレポートをやる時間を決めて取り組んでいます。たまにさぼってしまうけど(笑)
車での移動時間や少し早く家に帰ってこれたときや夜寝る前に勉強しています。その日に全然できなかった時は朝にやったりします。
時間は特に決めていないですが、1日最低30分はやるように意識しています。遠征先などでは時間があるので、そのときにまとめて勉強しています。
わからない部分はオンラインで質問できるし、一人で勉強していて不便に感じることはあまりないです。
それぞれの生徒さんが高い目標を掲げ、日々激しいトレーニングを行うなかで、しっかりと自分ができるタイミングを見つけて、勉強にも頑張っているようですね。
また上記の通信制高校はオンラインでのサポートも充実していますので、遠征先などでも安心して勉強に取り組める点はやはり大きな魅力となっています。
しかし、通信制高校もいい点ばかりではありません。
自分のペースで学習を進められるということは「サボってしまう」こともできるという点には気を付けなければいけません。
結局やらなければ、卒業するどころか単位を取ることができませんよね。
そういう意味ではスポーツと同じで、己に勝つ意志の強さは必要かもしれません。
日々の練習に加えて、いかに自分に厳しくいられるか、自分を律することができるかが、後の成功への大きなターニングポイントとなるといえそうです。
まとめ
ここまでの内容をまとめました。
まとめ
・自分のペースで学習を進めることができるため、スポーツ選手は通信制高校を選ぶ
・競技に集中できる、多くの練習時間を確保できるためという理由もある
・(通学の場合)ハイレベルな環境・コーチとともに成長できる
・自主学習なので、しっかりと自分を律する強さが必要
以前は通信制高校というと、不登校生徒や不良が通う学校というイメージがあったかもしれませんが、このように将来の夢に向かって頑張っている生徒さんもたくさん通っているようですね。
将来本気でスポーツ選手を目指したい場合は、通信制高校はとても魅力的な選択ではないでしょうか。